第5話  三浦百合子らしいよ知らんけど

「…ほんとに攻略可能って書いてたの?」

「間違いねえって…」

「あんたみたいなちんちくりんな男が、あんな可愛らしい子をねえ…せめて小さくても某王子様みたくイケメンならまだわかるけど」


 まあ某王子様は大人になると背が高くなるらしいよ。

 ちなみにアタシはショタコンなので、小さくてもイケメンかカワイイ男の子ならあり。


 タケは無理だけどね。攻略不能なのはそれもあるらしいよ。



「とりあえず…調べてみっか」

「そだね」



 百合子なる女子を追いかけてる間に、好みの女子を見かけると、ギャルゲーアイを使用して確認するタケ。だがどれもコレも攻略不能だった。


「くっ…またダメだ」

「まあわりと判定厳しめでもあるからね。不能だと何も見えないから、どうしてもとなると自力になるらしいよ」

「…厳しめなら尚更攻略しやすいのか。あの百合子とかいう女子」

「……そうなるかも。まあ絶対ではないらしいよ」


 百合子なる女子の教室。

 複数の女子と話している。

 その中に男も入ってきて談笑してる。


 男友達も多そうだ。

 まあボーイッシュだし、打ち解けやすいのかもしれない。


「どーすんの?とりあえず話しかける?」

「…つってもな。周りの奴らも邪魔だし…まず情報収集すっか」

「どうやって?」

「クラスメイトに聞くまでよ。おい、そこのメガネくん!」


 タケは教室にいる分厚い眼鏡をかけた、冴えない男子に声をかけたらしいよ。

 冴えないけど背はわりと高い。

 タケと並ぶと大人と子供みたい。


「なんでゲス?見かけない顔でゲスが」


 ゲスって……変な語尾。


「いや、あのよ…!!」


 急に口大きく開けて、驚愕するタケ。

 …なんなのだよ。


「お、おい!攻略可能って書いてるんだけどどういうこった!!」


 ブフっ!!

 攻略可能判定に男女の制限はないらしいよ。

 だから男の子攻略できてもおかしくはない。


「よかったじゃん。ヒロイン増えたよ………ブフッ!」

「ざけんな!!」

「まぁまぁ。別にこの子攻略しない限りは、そっちの趣味にはならなそうだからさ。気にしない気にしない」


 攻め方次第でそっちの趣味になる可能性がある子もいるらしいよ。

 それがこの分厚い眼鏡の子なわけ。


「な、なんでゲスか?呼びつけておいて一人でブツブツと」


 この子は天使のアタシを見えないから、はたから見れば一人でブツブツ言ってるやべー奴なわけらしいよ。


「あ、す、すまんえっとだな…あそこのボーイッシュな女の子」

「ん?三浦百合子でゲスか?」


 名字は三浦か…普通すぎてつまらないらしいよ。名前もどこにでもいそうだし。


「そう!その三浦さんについて教えてくれよ」

「いいでゲスが、教室で話すと本人に聞かれるでゲスよ」

「そ、そうだな。悪いけど、じゃあちょっと来てくれよ」


 とりま二人で話せるところに行くらしいよ。


「どこ行くの?男子トイレとかアーッ!?」

「ラズ、黙ってろ」


 タケはアタシをスルーして、図書室に立ち止まる。


「あんま大声じゃしゃべれねえけど、本棚の奥とかならいいかも」


 そう思いタケは図書室へと向かう…


 室内はあまり人もいない。

 コレなら…と中へ入るつもりらしいよ。


「とりあえず奥にでも…」


 ふと本の貸し出しをしている図書委員に目がいく。そしてタケはなにかに気づいたらしいよ。


 黒髪ロングで顔はよく見えない。

 なんか…陰気くさい、そんなイメージ。


 こんな子見てどうしたんだと思ったけど…あ、まさか。


「あの女子攻略可能だ…」


 ふったりめー。

 いよっめでたいねー。


 まあこいつの好みかは微妙そーだけどね。



 つづくらしいよ。


 次回は続けて三浦についてかな?この女子にも触れるかも。

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