攻略キャラ紹介編
第4話 ヒロイン候補その1らしいよ知らんけど
「攻略不能は攻略不能らしいよ」
「…どゆこと?」
「だ~か~ら~恋人には絶対できないって事らしいよ」
「?????」
こいつバカか?
言ってること理解してないよ。
「いやお前彼女できる力くれたって……」
「そうは言ってないらしいよ。彼女を作れるかもしれない力というか、能力をあげたらしいよ」
「それって…絶対彼女できるわけじゃないってこと?」
「うん。攻略不能キャラは絶対無理。可能キャラでも絶対ではないらしいよ」
「……………………」
突然黙るタケ。
「意味ねえじゃん!?」
ガビ〜ンって擬音出てそうなくらいの驚愕と失望の表情してやがる。
キッショ。
「なんだよそれ〜誰でも確実に彼女にでき、ハーレムまでできるとか思ってたのに!」
何がハーレムだよ。アホらしい。
この国には一夫多妻制度はないらしいよ。
ちなみに天界には一夫多妻制度もその逆もあるらしいよ。こいつには関係ないけどね。
「なんか詐欺にあったみたいだ」
「詐欺ってお金なんてもらってないらしいよ。知らんけど」
「オレの命もらったじゃん」
「うっ……」
…痛いとこつく。
ムカツクなこいつ……
でもアタシが全面的に悪いから、文句は言えない。
「と、とにかく使ってみてから、判断してほしいらしいよ!」
「ん〜そうだね。でもまず学校行くかとりあえず。元々登校中だったこと思い出したし」
「…その格好で?」
「へ?」
タケは自分の姿を確認。
アタシに
生き返らせたことで血も体内に戻したんだけど、制服は真っ赤っ赤のままらしいよ。
「…どーしよ。替えなんてないぞ」
「アタシが服作るらしいよ」
アタシの能力で同じ制服作って着せてあげたらしいよ。
で、本題。
無事タケは自分の通う麒麟寺学園に登校したらしいよ。
すると奴はまずトイレにこもって、ポーズ決め手のギャルゲーアイを発動してきたらしいよ。
ポーズ恥ずかしいからトイレでやってるらしいけど、そもそもポーズなんて必要ないのに…ププ。
「とりあえず攻略可能な女子を探そう。ところで天使のあんた……えーっと」
「名乗ったはずらしいよ。ラズね」
「あーごめん。で、そのラズは他の奴には見えてないんだよな?」
「うん。アタシを見える者は魔力ランクE以上、もしくは同種族か聖獣くらいだから」
「魔力ランク?」
「とにかく普通の人間には絶対見えないってこと」
魔力ランクとか聖獣については別のお話らしいよ。
タケはぺちゃくちゃとよそ見しながら、アタシと会話してたものだから、曲がり角で誰かにぶつかったらしいよ。
「痛!」
「わわっ!」
タケとぶつかった相手は互いに倒れた。
ちなみにそこでラッキースケベみたいな事は起きなかったらしいよ。
「いてて…」
「ご、ごっめーん…ぼく急いでたから…大丈夫?」
「え?あ、いやオレもよそ見してたし…」
「そうなの?じゃ、おあいこだね!」
ニコリとそのぶつかった相手は笑ってる。
ぼくなんて一人称使ってるけど、この子はれっきとした女の子。
スポーティーというか、ボーイッシュという印象。ショートカットでタケよりも小柄。そして細身。顔はとても可愛らしい女の子。
「百合子〜いつまで倒れてんの早く〜」
友人らしき女子生徒が、タケにぶつかった少女に呼びかけてるらしいよ。
「今行く〜。…ごめんね。また会ったら埋め合わせするからさ」
百合子という少女はウインクして、友人らと合流していった。
……タケは固まってる。
まさか一目惚れとか?
「…書いてた」
「え?」
「書いてたんだよ!攻略可能って!」
ま、マジ?
いきなり攻略可能ヒロイン出現とは驚きらしいよ。
つづくらしいよ。
次回は百合子なる人物を探る。
他のヒロインの影も…?
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