世界観

エアクラはゆっくりと喋り始めた




 元々は吸血鬼もヒト族の一種であった「ホモ・ローデシエンシス」からの派生種であるらしい、ホモ・ローデシエンシスの一部が特殊なウイルスに感染し絶滅、一部の生き残りが吸血鬼に進化したと言われている 


 ウイルスはその後耐性を獲得した吸血鬼により根絶済みである。




 吸血鬼は血の濃さにより力が決まり真相から第8世代までいるらしい


 真祖が血を分ければ半分が吸血鬼の血である第1世代となる。


ただ、どの程度の血を入れるかは吸血鬼次第らしい。




 第1世代、第2世代は特に力が強いため貴族と呼ばれ別格である。


貴族は血族能力の集大成である"凝結"が使える


真祖は王と呼ばれ更に強力な"凝結"が使えるみたいだ


集大成と言われているだけありかなり血力を使用するらしい






「ふぅ、疲れちゃったしお風呂入ってくるね、サイト君も基本的なことは教えてあげてくれると助かるな」




そう言い残しお風呂場へと消えていった






「うっす。じゃ兄貴、お疲れでしょうけどもう少しっすからね!」




 吸血鬼の異常な再生能力や特殊な能力はすべて血力けつりょくといったエネルギーを使用する。


血力は心臓の横にある血臓けつぞうで生成される。その際に人間の血液が必要になる。


 血力で生命活動はすべて賄えるため食事は人間の血液のみで足りるが嗜好品として人間の食事を楽しむ吸血鬼が大多数である


ちなみに普通に生きているだけなら500mlで1週間は生きれるほど燃費がいいらしい。


 逆に血力の源である血臓が潰されると死ぬ、拳銃程度の穴であれば自然治癒するが杭などのサイズだとかなり厳しいようだ


血臓はエネルギーである血力を抑える役割も担っているため血臓が潰れると血力が暴走する。結果全身が高エネルギーに晒されチリになる。ここらが吸血鬼伝説の元ネタらしい。


 にんにく、日光、十字架に弱いというのは都市伝説であるらしい。まぁ個人的に嫌いな吸血鬼がいてそう伝わった可能性が高そうだ。


 夜目が非常に効くため昼は眩しくて外出がし難いため日光は弱点とされているが、眩しい程度である。6世代以降だと結構辛いらしい。




逆に銀は伝説の通りらしい。血力との相性が悪く触れているとその周辺は血力が使用不能となるらしい。






「で、なんですけど血力は個性があってそれが個人能力の違いになってるんすよね。


吸血鬼同士が吸血できない理由はそこにあるんす。血力が反発して普通は死ぬんです。真祖クラスでも二日酔いみたいにしばらくは体調崩すらしいんスよね。


同じ血族ですら吸血出来ないのに違う血族なんてもなんて……知られたらマズイと思うすよね、絶対目の敵にされると思うですよ…」




サイトは小声で周囲を見渡しながら続ける

「【継戦】の血族なんて初めて聞いたッス、そんな能力があればもっと有名な血族になってもおかしくないと思うんですよ、エアクラさんは王、つまりは真祖だって話でしたけどぶっちゃけ………怪しいッス


あ、いや、真祖だってのは疑ってないんですけど。ローディさんをあんな余裕で倒せて真祖じゃないって方がありえないんスから」




ビクビクとしながら話している




「真祖は俺達が思うよりもはるかに力があるんす…正直この会話すらかなりリスクなんすよ……聞こえていてもおかしく無いっすから…


兄貴が吸血鬼になった、された?理由も不明な部分ですし」




それは俺も思ったがどうしても何も思い出せない。




「っすよね、吸血鬼化する時は記憶が飛ぶんすよね、そのまま思い出せないほうが一般的っスよ」






ガチャ


エアクラがお風呂から出てきた音がしサイトがビクッとはねた。




ピンクのもこもこルームウェアを着たエアクラが出てきた


ツインテールにしていた髪が解かれ鎖骨の下辺りまで伸びている。


ファスナーも上まで締まりきっておらず頬も赤らんでいる。




「君たちもお風呂入る?」




「あ、自分はそろそろ帰るっす。兄貴、本当にありがとうございました」




「カイト君ありがとうねー!お土産に血液パックあげるね!1ダース!」






「1ダースっすか!?あ、いや、助かります!!ありがとうございます!!」






ドスッとダンボールをエアクラが持ってきた。おそらく言っていた血液パックが入っているのだろう。


カイトがダンボールを持ちフラフラとベランダに向かった




「本当にありがとうございました!!またお会いしたらよろしくっすー!!!」


 そう言い飛び立った、重いのかフラフラしながらだった。締まらないやつだなぁ

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