第42話 特殊シチュエーション客室を利用するのは常連以外に有り得ない④

「所で一つだけ確認しておきたいんだけれど、どうしてチャドは大人になりたいんだい?言っちゃ悪いがチャドはまだ子供でいても許されるだろう。両親や周りに言われた以外にも何か理由があるんじゃないのかい?」


 食事を終えて。

 両鼻にティッシュを詰め込んだブレンダは真面目なトーンでチャドに問い掛けた。

 両鼻に大き目のティッシュを詰め込んでいるせいで真面目さが半減しているが。

 全然話しが入って来ないが。


「はい、そうですね。実はあるんです」


 チャドは何だか居心地が悪そうに答える。

 何を話せばいいか、何処まで話せば良いかと考えている様子だ。


「話してみなよ。あたしはチャドが何を言っても笑わないし馬鹿にしない。チャドの力になりたいのさ」


 丸出しの下心を隠して言ったブレンダ。

 最終的には力技でどうにかしようとしている女が力になりたいとはどういう了見だろうか。


 チャドは目線を落として少しばかり沈黙してからブレンダと視線を合わす。


「僕、お姉さんが好きなんです。けれど、年上のお姉さんは僕みたいな子供っぽい男は相手にしてくれないって思うんです。だから早く大人になりたいんです。後、おっぱいも好きです」


 チャドは切実な悩みをブレンダに打ち明けた。

 おっぱいが好きなのは未だに母親のおっぱいを吸っている事からも明らかだったが、まさか言葉尻におっぱいを捻じ込んでくる程に好きだとは。

 ブレンダはチャドのおっぱい好きに頷いて理解を示した。

 ブレンダも少年のつるんとした胸が大好物なのだから。


「わかったよ。それじゃあ、あたいに全部任せてくれるね?そうすれば必ずチャドを大人の男にしてやるよ」


「はい!お願いします!」


 ブレンダの言葉に大きく頷いて決意を表したチャド。


「こっちに来な!」


「はい!」


 そしてブレンダがチャドの手をにぎにぎして。

 二人は寝室から隣の部屋へと移ったのであった。


「えっと、ここって?」


 チャドは不思議そうな顔で部屋の中を見回す。

 客室に転移したばかりの時はあんなにも燥いでいたのに、今は目の前の光景に理解が及んでいない様だった。


「ここは車両って言う部屋でね。大人になる為にはここが一番良いんじゃないかって思って選んだのさ」


 315号室のテーマは車両。

 寝室から隣の部屋に移動すると、左右に鉄らしき金属に窓が付いた両開きの扉。

 その先から壁と一体になった起毛生地の長椅子があり、長椅子の先はまた両開きの扉になっていて、扉の先は白色の壁と鉄の引き戸だ。

 長椅子の上は幅広で大きな窓があり、窓の外は猛烈な速度で流れる景色。

 部屋の中には何処からかガタンガタンという音が聞こえて来て、ほんの少し地面が揺れている。


 これが315号室。

 異世界で電車の車内を再現した、何処に需要が存在するのか謎な客室である。


「こ、ここで稽古をすれば大人になれるんですか?」


 チャドは揺れる床に怯えながらブレンダに問い掛ける。

 外の世界には地震という自然現象が殆んど起きない。

 地面が揺れるのは、それこそドラゴンの様な大型の魔物が現れた時ぐらいで滅多に起こる事ではない。

 だから地面が揺れる現象に慣れている者の方が少ないのだ。

 ブレンダはへっちゃらそうだが。


「恐いかい?恐怖を乗り越えてこそ大人になれるってものなんだよ!」


 ブレンダは自信満々にそれっぽい事を言った。

 実際にどうなのかなど知った事ではない。

 最早ブレンダの頭の中はピンク一色なのだ。

 如何にしてチャドを納得させて関係に及ぶか。


 最終的には同意無しに襲ってしまう事も視野に入れているが。

 出来れば今回だけの関係ではなく末永くショタの体を味わいたいと考えているのだ。

 しかしあんまり我慢が利かないのでブレンダは長椅子の横にある鉄の手摺りをチャドに掴ませた。


「これだったら少しは恐さが紛れるだろう?」


「そ、そうですね」


 チャドはまだ恐怖心がありそうだが、大人になる為に強がって返事をした。

 窓の外の景色を見ていれば気が紛れる。

 そう思って窓の外に目を向けると、ブレンダはチャドの背後に迫り。


 スルリとチャドの右尻を撫でた。


「ひゃぁ!」


 チャドは飛び上がって声を上げ、撫でられた尻に手を置いた。

 まさか尻を撫でられるだなんて思っていなかったので吃驚してしまったのだ。


「ははは。子供だねぇ。それじゃあ全然子供だよ。大人だったらこれしきの事で驚いちゃあいけないよ」


 ブレンダはそう言うと尻に置かれたチャドの手を外してもう一度尻を撫でた。

 今度は柔らかなタッチだがしっかりと撫でる。


「どうだい?我慢出来そうかい?無理そうなら別の方法で大人にしてやるけれど」


「んっ。で、できますっ。僕は、もう大人ですからっ」


「そうかいそうかい。それじゃあ今度は両ケツを撫でるよ」


 ブレンダはそう言ってチャドの両尻をガッシリと掴んだ。


「ひゃぁい!」


 思わず腰を前に突き出して尻揉み揉みから逃れようとするチャドだったが。

 冒険者であり普段から剣を振るっているブレンダの握力からは逃れられない。

 そのままされるがままに尻を揉まれるチャド。

 ガッシリと尻を揉み続けるブレンダ。


 小さくて、けれどもプリンとした尻の感触。

 それを両手で掴んで揉み揉みする感覚。

 それはブレンダにとって、人生で味わった事の無い極上の至福であった。


 テクニックなんてもうどうでも良い。あたいは思いっきり尻を揉むんだ。


 ブレンダに揉まれ続けた尻が柔らかくなったんじゃないかと錯覚する頃。

 チャドの肩が電車の揺れとは違うリズムで揺れ出した。


「ブレンダさん。ひっく。どうしてこんな酷い事するんですかぁ」


 どうやらブレンダがやり過ぎてしまったらしく。

 チャドの涙が床を濡らす。

 ブレンダも本能に任せて尻を揉んだ自分の過ちに気付いて慌てだし。

 どうすれば良いかと考えて皮鎧を脱いで振り向かせたチャドを抱き締めた。


 チャドの大好きなおっぱいが顔面に当たる様に。


「えへへへへぇ」


 チャドは胸を顔面に押し当てられると即座に泣き止んで。

 良い表情で空いている方のおっぱいを揉み始めた。

 一瞬で泣き止むとは一体どれだけのおっぱい好きなのだろうか。

 ちょっとだけ顔がおじさんぽくっているのは気のせいだろうか。


「すまなかった。少し一足飛びにやり過ぎちまったみたいだね」


 謝罪をするブレンダに。


「いえ。僕が子供なのがいけないんです。今だってこうしておっぱい揉ませて貰わなかったらまだ泣いてました」


 そう言って申し訳なさそうにおっぱいを揉み、額でおっぱいを擦ったチャド。

 どうやらおっぱいを放す気は無いらしい。


「そうかい。生で触るかい?」


 ブレンダはチャドを勇気付ける為にシャツを脱いだ。

 ブレンダはブラジャーを着けておらず、筋肉質な上半身が露わになる。


「うわぁぁぁああ!ママのと違っておっぱいが二つあるみたいですね!」


 チャドが訳の分からない事を言い出したが。

 左右一房ずつの計二房のおっぱいについて言及しているのではない。

 ポッコリと存在感のある胸筋とおっぱいのコンボによって左右四房のおっぱいに見えるという意味だ。


「そ、そうかい?」


 チャドは一頻りおっぱいを触った。

 胸筋の部分もおっぱいと見做して4つのおっぱいを気の済むまで触った。

 そして随分と弛み切った表情でブレンダを見上げ。

 普段吸っている柔らかおっぱいとは違って硬く力強い4つのおっぱいに絆されたチャドは。


「僕、決めました!ブレンダさんの手で、もっと大人にして貰いたいです!」


 決意を新たに。

 決意を固く持って。

 ブレンダにぶつかり稽古を申し出た。

 これにはおっぱいを揉まれて気持ち良くなっていたブレンダも内心ガッツポーズである。


「そうかい。あたいの稽古は厳しいよ」


「はい!どんな稽古にも耐えてみせます!」


 ブレンダの口元は大きく歪み。

 何故か床に転がっていたローションと何かシリコンみたいな棒と玉みたいなやつが繋がってるやつを使ってチャドに大人の階段を上らせたのであった。



「アシストは大成功だったな」


「流石はマスターです」


 マスタールームのソファーにて。

 ヒショの膝枕で寝転がりながらテレビモニターを観察していたアイトは自らのアシストによって決勝点が入った事を確信していた。

 モニターには電車の車内を模した鉄道車両ルームで壮絶な稽古が繰り広げられている。


「ブレンダさんブレンダさん♡」


「ははは!ここか?ここだろう!ここなんだな?ほらほら!」


 アイトは二人が食事をする光景を見て。

 あ、この男も女の事狙ってんじゃんと見破ったのだ。

 男の目とあざとい行動を取っていて。

 特に女の奇行を見て見ぬふりしていたのが決定打となった。

 だから女が力業で男を壊してしまわぬようにと気を利かせて使えそうなアイテムをレイさんに運ばせておいたのだ。


 アイトはモニターに映る映像をフロントに切り替えて。

 ヒショと二人で祝杯を上げたのであった。


 この日、エマがマスタールームに上がると床が酒瓶で埋め尽くされていたと言う。

 そしてアイトは結構怒られたと言う。



 1時間9分後。

 ブレンダとチャドは部屋から出て来てフロントを通りラブホテルを出た。

 二人の距離感はラブホテルを訪れた時よりも近い。

 チャドはブレンダの腰に右腕を回してギュウっと抱き着いている。


「ブレンダさん」


「何だい?」


「ブレンダさん」


「だからどうしたんだい?」


「大好き♡」


 思わず鼻血が吹き出しそうになるのをどうにか堪え。

 ブレンダはチャドの頭を優しく撫でながらヤーサンの街へと帰った。


 その道中。

 チャドの左手は自らの尻を押さえ。

 腰を不自然にくねらせていたのであった。


 開発は計画的に。

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