第24話:女の喜び。

僕と凛は一度そういう関係になると、ふっきれたように毎週ホテルに行った。


そこがまるでふたりだけの秘密の部屋のように。

求めあって・・・お互いを確かめ合って、そしてまた求めあう。


言葉などなくてよかった。

お互いがそばにいればそれでよかった。

抱きしめあっていれば、何を思って何を考えているか手に取るように

分かった。


恋人同士の一番、充実している時期なのかもしれない。


昼下がりのまどろみの中で、ふたりは裸のまま眠った。

僕が凛を抱いた時点で、僕には凛に対する責任が発生した。


今までなら、もし、ふたりが別れたとしても心に傷を残すだけだったけど

今はそうじゃない・・・ 何があっても凛と別れるなんてことはあっちゃ

いけないし、もう自分のことだけじゃなく凛の人生も背負っていくことになる。

大袈裟かもしれないけど、それが凛に対する僕の責任だと思った。


真面目なんだね、悠人は。


そして凛がセックスで感じるようになるまで数ヶ月かかった。

でも、ようやく、凛は女の喜びを知ったわけだ。


「イクって今の?・・・感じたよ、悠人」


マックスとは言えないまでも 凛はエクスタシーを感じたことにやたら興奮

していた。

感激したんだろう。


( おめでとう、これでようやく君は心身ともに立派な女だよ)


凛がちゃんとイけたことに僕は心から喜んだし、ホッとした。


ただひとつ・・・僕は思った。

さあ、これからって時にアレ「生理」になるのだけはなんとか・・・なんとも

ならないよなって。

凛の体なのに凛の思う通りにならないこともあるんだよね。


アレの日だって構わずセックスをするカップルもいるみたいだけど僕は赤いもの

は苦手だからダメだった。

だからできない時は我慢した。


凛に風俗のおネエさんみたいに男をイかせるテクニックがあったら、して

もらってたかもしれないけどね。


DVDでも見せようかなって思った・・・。


今は土曜日に会えば、ホテル直行でエッチをするようになった。

無理してでも隣町のホテルを利用したが、もう何度も利用してて行くホテルが

なくなっていたし・・・ 回を重ねるごとに凛は何度もイくことを知っていった。


だから、僕はできちゃったとかにならないよう注意を払った。

エッチの時はかならずコンドームを使った。


学生の身分で、できちゃったりしたら、たぶん学校を辞めなきゃならなく

なるだろうし、凛の両親だって寝耳に水な話になる。

僕は凛にそんなリスクは背負わせたくなかった。


何より、できちゃったで、なしくずしに結婚 なんてことになったら、それは

順序が違うだろって僕は思っていた。


今日もホテルのベッドで疲れきったまま僕の横で眠る天使。


本当の愛を知って背中の羽が落ちたとしても君はまだまだ無邪気な天使だよ。

肉体的に大人になっても精神的にはまだお子ちゃまだからね。


僕はこれからも、もっと君のこと好きになって行くと思うよ。

だからさ、君も思いっきり僕のことを愛してよね・・・。


つづく。

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