第22話:ようやくハピホ。

「じゃ〜さ、そろそろ、お風呂に入ってきたら?」

「それとも一緒に入る?」


「いやいやいや・・・恥ずかしいから」


凛は両手でイヤイヤした。


「私一人で入ってくるね」


僕はなるべくバスルームの方を見ないようにした。

いくら恋人同士でも見ないのが礼儀だろうって思ったからだ。

しばらくして、ちらっと見ると、バスルームのガラスが曇っていて凛の

肌色のシルエットが見えた。


経験はあると言っても、悠人も、エッチしてない期間が長い。

だから多少はドキドキしていた。


凛とははじめてだから・・・とくに。

彼女だって馬鹿じゃないんだから、今の今まで僕の過去に恋人のひとり

やふたり いただろうくらいのことは想像がつくだろう。

余計な誤解を招くことは言わないが身のため、二人のためだよな。


凛は今日、女になる。

まぎれもなく僕だけのものになるわけだ。

女性の心理ってどんなもんだろう。


処女を失うってどんな気持ち?

とても神聖なことなんだろうか?

もっとあっさりしたもんなんだろうか

男は童貞を失うってことに「失った〜」って、喪失感はさほどないけど・・・


世の中には愛のないセックスをする人もいるが僕は純粋に凛と結ばれたい

と思っていた。

凛もここにセックスをするだけのために来たわけじゃないだろう。

僕とひとつになりたいから、僕についてきたんだ。


そしてそういう関係になった以上、セックスがないとお互いだんだん不安に

なってくる。

浮気してるんじゃないだろうかとか、自分に愛情がなくなったんだろうかとか・・・ だから、また確かめ合う、愛の深さを・・・。


そんなとりとめもないことを考えてると、 凛が体にバスタオルを体に巻いて

バスルームから出てきた。


(今度は僕の番だ)


僕は 今まで風呂に入ってこんなに綺麗に洗ったことあったっけ?って思う

くらいに皮が擦り切れるんじゃないかってくらい綺麗に洗った。


匂いで嫌われるのも嫌だし・・・ なにより凛に不潔な人って思われたくないし。

悠人がバスルームから出てくると、凛はバスタオルに身を包んだままベッドに

ちょこんと座って僕を待っていた。


凛はすっと立ち上がって僕のほうを見た。

どうしたらいいか分からない困った子犬のように、胸に手を当てて恥ずかし

そうにしていた。


僕は裸のまま、彼女に近づいて、そっと凛のバスタオルを取った。

裸の天使が生まれたままの姿で立っていた。

はじめて見る彼女の体。


僕は目で上から下に凛の体をなぞった。

お椀を伏せたくらいの可愛いおっぱい。

まだ幼児体型が残るぽっこりお腹。

まだ生えそろってないんじゃないかってくらいの可愛い三角地帯。


僕は17歳の女性の体は見たことがなかったし、ちょっと気おくれしそうになった。

凛は神聖なもので、汚しちゃいけないことのように思えた。

好きだからこそ手をつけちゃいけないって気持ちがよく分かる気がする。


触るとまるでガラス細工みたいに砕け散ってしまいそうだった。

僕は凛の肩を引き寄せベッドへと誘った。


「悠人・・・ちょっと怖い」


「大丈夫だよ」

「優しくしくするから」


僕は優しく凛の体を支えると彼女をベッドに寝かせた。

彼女をベッドに寝かせる時、彼女の甘い吐息が僕の耳をかずめた。


女子高生とはいえ、やっぱり凛は女なんだって僕は思った。


つづく。

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