17才。

第4話：デートの約束。

彼女は成瀬さんは「今、付き合ってる男性はいない」 って言った。

僕が彼女に対して彼氏の存在を確かめた意味などもう彼女には分かっただろう。

「じゃ〜、今度の土曜日ですけど・・・成瀬さん用事あったりします？」

「ん〜・・・とくにありませんけど・・・」

「本当？よかった、できたら今度の土曜日、僕と夜祭りに行きませんか？」

言ったぞ!!

「一方的ですいません」

「いえいえ、あ、はい、いいです」

「え？・・・それって?・・・イエスってことですか?」

「はい、イエスってことです」

まじでか・・・やった・・・あはは・・・ もうこの時点で僕の心臓は

三つくらい爆発していた。

「あ〜よかった〜、ほんとによかった」

「断られたらどうしようって思ってて、もうドキドキしてて・・・」

「ほんとによかった〜」

「はい、よかったです」

思いがけない彼女からのイエスにパニクりそうになって、気が遠のきそうになった。 電話の向こうで、また彼女が笑った。

「じゃ〜予定、伝えますね」

「今度の土曜日、夜7時・・・お家を教えてくれたら車で迎えに行きます」

しばらく間があって

「藍原さん・・・私の家の近くに妙正寺（みょうしょうじ）ってあるんですけど、

ご存知ですか?」

「はい、知ってます、妙正寺は西町の妙正寺のことですよね」

「その前で待ってればいいんですか?」

「はい、私そこまで行きますから」

「分かりました、妙正寺の前で、7時には行って待ってます」

「絶対待ってます」

「はい、よろしくお願いします」

「こちらこそ、ありがとう、嬉しいです、じゃまた」

「お昼休みだったのに、ごめんなさい」

「いえ、大丈夫です」

「それじゃ、土曜日ね」

「はい、それじゃ・・・」

受話器を置いた僕の手が汗ばんで震えていた。

アドレナリンを大量に放出した僕の脳は半ば放心状態だった。

土曜日の7時、妙正寺の前・・・反復した。

（デートだ、デートだ、成瀬さんとデートだ）

（これって夢じゃないよな）

（でも、案外あっさりイエスって言ってくれたよな、僕の年齢知らなくても自分より

かなり年上だってこと分かるだろうに・・・それは抵抗なかったのかな）

（おじさんからのデートの誘いかよって思わなかったのかな？）

僕はあっさりデートの約束が取れたことを不思議に思った。

まあそれでも彼女をデートに誘えたことにテンションマックスだった。

きっと今夜は眠れないだろうなって思った。

つづく。