銀灰色の髪に、紅玉の瞳。
宝石のように美しいエリーシャ・フォレノワール伯爵令嬢が人々の注目を集めないのには、理由がありました。
それが、フォレノワール家の人々に受け継がれる【異能】という能力。
エリーシャは彼女の【異能】を使って、あえてその存在感を消すことができるのです。
そんなエリーシャに結婚を申し込んだのは、金髪碧眼の<腹黒>皇子ユーリス。
そうして、よくある感じの契約結婚の流れに……、と思いきや。
ぜひ、最後までお読みください!
さらに美しく、強くなったエリーシャ。
ついに明らかになったユーリスの心。
キラキラ輝く2人の物語に、【魅了】されるはずです。
月や土地の名前から凝られた世界観に冒頭から惹きつけられました。異能一族に生まれたヒロインが腹黒王子に追いかけられて契約婚約を結ばされて……という導入から始まり、二人が徐々に距離を縮めていく様子に読んでいるこちらもドキドキしてしまいます!
文章がとても繊細で美しく、特にヒロインのドレスの描写などはうっとりとしてしまうほどです。異能一族を始めとする個性豊かな登場人物たちも魅力的でした(個人的には美しく強かなヴィオラ様がお気に入りです)
詳らかにされる過去は運命的で、全てが明らかになるラストには思わず鳥肌が立ったほどです。
そして何より腹黒王子の不器用な愛情に顔がにやけること間違いなし、きゅんきゅんが止まらない素敵な作品でした!
が安心して見ていられるほど微笑ましい素敵な作品でした!
親兄弟からも見放され・・・などの導入が多いため、少し警戒していたのですが杞憂でした!
導入から騒ぎ立てるや勢いに任せるといった進行はなく、導入時点から丁寧にあらすじを紐解くような流れは作品の世界観に否が応でも惹き込まれてしまいます!
表現とルビ振りがとても印象的で、この作品の個性と言ってもよいかもしれません。
ちょっとしたやりとりだけにも関わらず、そんな描写が随所で目を引くため、進行のスパイスとしても機能しているように感じました!
作品の性質上、貴族然としたキャラが多いためそれにつられてお上品な展開となりそうに見えますが、そんなこともありません。
主人公はいわずもがな、ですが、周りを固めるキャラも掛け合いの中で肩の力が思わず抜けてしまいそうな一面も見せてくれるなど、作中に漂う雰囲気とキャラの描写での緩急が物語の魅力を引き上げていました!
ちょうど導入である一章を読み終えたためのレビューとなりますが、この後の展開も目が離せません!
みなさんも異能令嬢と腹黒皇子の織り成す物語を覗きにきてみてはいかがでしょうか?