第42話 美華の為に
亮「えっ?」
一瞬何を言われたか分からなくなり、その言葉しかでてこなかった俺。
”海外?どうゆう事?美華が...?”
美華「うん...海外に行って勉強したいと思って...とゆうか新しい自分を見つけに、そして私とお姉ちゃんの為に...」
亮「美華ちゃんとお姉ちゃん?」
美華「うん!お姉ちゃんも少し前に海外に行った事あるんだって。そしたらさ...普段私達が悩んでる事とか、心にトラウマ抱えている物とか、
海外に行って仲良くなった人と相談してみたんだって。そしたらさ...”全くそんなの気にする事ないじゃなーい!ノープロブレムよっ!”って言われたらしくて、それがあったからか前に進めたのもあるみたいなの」
美華「私も前に進めてないわけじゃないんだけど、やっぱり心のどこかで、親の事が頭に残ってたり、なんだか自分でもわからないトラウマに押しつぶされて、急にピタッと前に進めなくなったりしてさ...文化が全く違う所にいけば、私の思う価値観もなんともなかったりするのかなぁと思ってね!後は唯愛の為にコーヒーやスイーツ作り勉強したいのもあるけどねっ!」
亮「そうか...」
美華「喫茶店は昨日お姉ちゃんに相談したら、その間私の代わりに入ってくれるみたいでさっ!」
亮「そうか...」
これしか言えない俺。
正直凄く言い考え。俺には行動力が昔からないからしたいと思ってもすぐに現実を見てしまうから。
だけど、急に言われ、しばらく美華と会えないと思うと寂しくなってしまう俺が勝っていた。
”背中を押してやるのが男だ...でも会えないのは悲しい...辛い...”
どれだけ身体がガッチリとした男であれ、好きな人が離れていくとなると、心の中が弱くなってしまう。
だけど...
俺は言った。
亮「うん!しっかり海外行ってたくさん学んでこいよ!こっち側の事は俺に任せて!」
立ち上がった。
美華の為に。
美華「ありがとう...亮さん...」
そう。これでいい。俺はどんな事があっても彼女を応援するし、支える。守る。
これが好きな人への愛情。
すると彼女がついに言った。
美華「それでね...海外から私が無事に帰ってきたらなんだけど...また一緒に水族館に行きたいな...」
”お~!!まさか向こうからのデートの確約!これは最高すぎるっ...!”
そして俺は伝える。
亮「おう!無事帰ってきたらな。だから...それまで、一緒に頑張ろう!」
その言葉を聞き美華が俺の方へ少し寄り添ってきた。
一人で海外に行くのは本当に凄い事。
それと同時に、不安がたくさんあるのも分かる。
本当は俺が一緒に行ってあげたいぐらい。
だけど、それだと意味がない。
彼女の為。
俺にできる事は、無事に帰ってくるのを待つ事。
今の彼女をしっかりと受け止める事。
ただそれでけである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます