第40話 当たり前なんてないよ
そして朝になり、仕事の行く準備を始めた俺。
俺は2日かけてきちんと寝た時間は約2時間。死ぬほど眠たいが気持ちはスッキリしている。
明け方に皆と解散し、賑やかだった部屋も一気に静まり返り、ただ一つだけ残されていたもの...
それは...
美華が作ってくれた手作り弁当。
正直皆がいた時はカッコつけてしまい、嬉しさを全力に表現できず、
亮「美華ちゃん。わざわざありがとなっ!」
と今までも女子から手作り弁当をもらい慣れてるかのように、振舞っていたが、内心の俺は幼い子供のように両手をめい一杯上げ、アニメのようにジャンプして飛び上がる程だったのだ。
36歳の俺がそんな事を実際にすると膝がやられてしまうし、ただただイタイ男。
そんな嬉しすぎる、幸せすぎる"美華からの手作り弁当"を手に持ち、俺は会社へと向かった。
会社についた俺は、いつも通り仕事に取り掛かる。
眠気がマックスなのもあるが、正直早く"美華からの手作り弁当”(嬉しすぎるんだ...省略せず何度も言わせてくれ)を開けたい気持ちが増しすぎて、全く仕事に集中できないでいる俺。
でもここは社会人になって10年以上もたっている男。要領よくこなすのは上手だった。
そして待ちに待ったお昼。
俺はいつもなら自分のデスクでお昼ご飯を食べるのだが、”美華からの手作り弁当”を素直に一人で楽しみたい為、会社の目の前にある公園に行った。
”今日は天気がいいし風が気持ちい”
そんな最高の天候の中、お弁当を開けた俺。
中には、ふりかけがかかったおにぎりが三つ。それとタコさんウインナーと卵焼き、そして小さいミニハンバーグに、ポテトサラダ。
”やばいっ!可愛すぎるっ!くぅ~!幸せすぎるぜっ!俺!”
こういう風に作ってもらう事って、決して当たり前ではない。
だって俺はめんどくさくて作らないのだから。
だいたい多いのが、結婚したご主人様方って毎日作ってもらうのが当たり前だと思っている人。
”初めを思いだせ...俺を見てみろ...今俺めっちゃ顔ニヤニヤしてんぞ!”
そんなまだ結婚もしてないし、美華が彼女にもなったわけでもないのに、世の男性に対し急に上から目線になってしまった事に対し謝った俺は、一口いただいた。
”うますぎるっ!”
なんだろう。普通に美味しいのだが、こんな馬鹿舌な俺でも、一生懸命作ってくれたという愛情を感じたのだ。
一口一口をこんなにも楽しみながら噛みしめて食べたのは初めてというぐらい、俺は"美華からの手作り弁当”を最後まで堪能した。
そして持ってきたカバンに仕舞い込もうとした時、お弁当箱を包んでいた、布巾から一枚の紙が...
美華からの手紙だった。
内容を見てみると、
美華”今日亮さんと二人で話がしたいから夜八時に私の家の前の公園に来てほしい"
そんな内容だった。
これはもしや...
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