第38話 性別なんて
そんな事を美華は過去に言ってたのかと思う俺。
亮「そんなに小さい頃から...美華ちゃんは...気を使って...」
そして小春さんが確信をついた質問を彼女にする。
小春さん「あの...これを聞くと失礼かもしれないですけど...美華ちゃんって生まれつき、なんと言いますか、同性が好きだったのですか?」
ついに出た。
うん。俺じゃあさすがに聞けない。
そしてそれを聞いた知華さんは、しばらく黙り、そして口を開いた。
知華さん「いえ...違います。それに今でもそういうわけではないと思います」
小春さん「と言いますと?」
知華さん「美華にとって大事にしたい人は例え同性であれど変わりません。小学生の頃、ある男の子の事が大好きでした。その男の子は他の男子からいじめられていましたが、美華がそのいじめがなくなるまで、ずっとその男の子の事を守ってたと言ってましたし...ただ意志が強すぎるが為に、男性よりも勝ってしまう所がもしかしたら、その男の子が離れていった原因でもあるかもしれません。そして美華は落ち込み、学校に行けなくなり、ついに転校をしました。そして次の学校でも、同じような事が起こり...」
美華ちゃんと唯愛ちゃんの高校の頃を以前小春さんに聞いた事があったが、そういう事だったのかと確信に変わった。
知華さん「ですが...美華は本当に大好きな心を許した人の前じゃないと甘えたりはしません...それは皆さんも同じだと思いますが...だから本当に普通の可愛い妹なのです。今は唯愛ちゃんの事が好きで好きでたまらないだけだと思いますし見てたらわかります。だけど...亮さんと二人でいる所を私は昨日も見ましたし以前ドライブインでも...」
小春さん「二人の様子はどおでした~?」
俺が余り行って欲しくないことを知華さんが言うと察した彼女が即さま聞いた。
知華さん「美華が亮さんに対し、かなり甘えているのは伝わりました。ですが...」
小春さん「ですが...?」
知華さん「恐らく頭の中で唯愛ちゃんと亮さんで戦ってるのだと思います。無意識と」
美華が甘えてくれてる事を知った俺は嬉しくもあったが恥ずかしさもあり、それとは逆に複雑な気持ちにもなっていた。
亮”彼女からしたら唯愛ちゃんの事友達って思ってもいないんだもんな...分ける事が出来ないって事か...”
亮「まぁでも俺は、美華ちゃんがこうして今を楽しく生きてる事がまず一番嬉しいかなっ!」
そう。
俺の本当の思いはそこだ。
別に美華を自分の物にしたいわけではない。
もし過去に大きなトラウマがあるなら、支えてやりたかっただけ。
現に今こうしてお姉さんとも再会でき、美華が嬉しそうにしている姿を見て、それだけで幸せだ。
小春さん「なーによー!格好つけちゃってっ!」
そお言って俺の肩に軽く自分の肩を当ててきた。
”後は今後美華と知華さんが今後どうしていくかだなっ!"
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