第37話 私達は特別
皆と楽しく食べて話をする俺達。
思えば、俺の家になんてほとんど人なんて来た事なんかなかった。
元カノですらも、一回来たぐらいでほとんど俺が元カノの所に遊びに行ってた。
いつも家に帰ると真っ暗で、自分が電気を付け、そしてテレビを付け、テレビに出ているバラエティ番組を流しながら、いかにも部屋が賑やかかのようにしながら過ごしていた。
だが今日は違う。
テレビなんかついていなくても、こうして周りにいる人達のおかげで自然と賑やかな空間になっていた。
同性がおらず多少気をつかっている俺がいるが、まぁそこは良しとしよう。
男友達なんて...
天に行ったが、”海”がいれば俺はそれで充分だ。
彼がいなくてもそれを知っている人が俺の周りにはたくさんいる。
あいつの良さを分かってる人がここにいるんだから。それだけで...。
気づけば料理も食べ終わり、皆帰ると思いきや、ここで唯愛ちゃんが美華を誘う。
唯愛「美華ー!一緒にお菓子買いにいかない?一緒に選ぼっ!」
準備しながら言っていたその彼女の言葉に、美華は嬉しそうに飛びつく。
美華「うんっ!久々コンビニデートしよっ!」
こうして二人はコンビニに買い出しに行った。
部屋に残った俺と小春さんと、そして美華の姉さん、知華(ちか)さん。
皆との会話の中で名前がそう上がってきていたから、漢字まで聞いておいた。
そして俺は、彼女に聞きたい事を尋ねる。
亮「そう言えば知華さんって髪色金髪じゃなかったんですか?前に誰かから聞いたけど、生まれつき美華ちゃんも知華さんも金髪だったって聞いたので」
すると...
知華さん「はい。実は元々金髪なんです。前に黒く染めました」
亮「そおだったんだね!以前ドライブインで見た時、もしかしたら美華ちゃんの姉さんかなとも思ったんだけど、髪色違うしなと思ってさ...女性の人だったら良く染めたりするよな!だから雰囲気似てたけど違うのかなぁという男の単純な考え!」
知華さん「実は黒く染めたのも理由があって...母親に少しでも美華に気づかれないようにしなさいと言われてたのもありますし...ですが実は小さい頃、美華に言われたことがあるんです」
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美華"お姉ちゃん!私達ってどうして生まれた時から金髪なんだろうね?”
知華"なんでだろうね~!でも私達特別って感じで良くない?”
美華”お姉ちゃんと一緒なのは嬉しいよっ!でも私達、髪黒色だったらもっと変わってたのかなぁ?"
知華”変わってたって?”
美華”私達が親に毎日怒られたり、お父さんもお母さんも毎日喧嘩したりしなかったのかなぁって...”
知華"美華...”
美華"そんなん冗談だけどねっ!でもお姉ちゃん髪色が黒色だったらもっと可愛くなってたよっ!今でも可愛いけどっ!"
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