第35話 涙の笑顔
亮「えっ...?そうなんですか...?」
衝撃すぎる事実。
一度美華の表情を確認したが、しっかりと事実を受け止めようと努力し、黙っていた。
お姉さん「実は両親共に、私達の事嫌いだったのです。姉妹だから仲良しなのは本当にいい事なのに、両親同士が仲が悪いため嫉妬というかなんというか...そして両親達は結果、私達を離れさせる事にし、そして元々仲が悪かった二人は離婚に至ったのです...」
何も言葉がでず、黙りこくる俺。
そこまでは知らなかった。
恐らく小春さんは知らないだろうが、唯愛ちゃんは知っている。
本気で苦しい。
でも話を聞かないといけない。
俺は美華の代わりに話を進めた。
亮「それで、お姉さんは美華ちゃんに会いたいと思ってても探せなかったって事?」
お姉さん「はい...私達二人を離す事ができ、人の幸せを奪った事に満足した母は、あれから私を監視をする事が趣味になってました。母は私が美華に会いに行こうとするときの顔の表情...すぐわかるみたいなんです。だからと言って何か虐待を受けたとかそういうのはなかったのですが、表の顔の表情と心の中の表情が余りにも違くて...恐怖でしかありませんでした...」
亮「お母さんが亡くなったのは最近なの?」
お姉さん「はい...昔に事故をしたのは本当です。ですが、一命を取り止め、ずっとそこから今まで病院生活をしていました。そこで毎日付きっ切りで看病してましたから...」
情報が多すぎて、頭の中がしばらく整理できないでいた。
だが俺よりも美華の方がもっと辛い気持ちになっているのは間違いない。
亮「美華ちゃん。大丈夫かい?」
声かけをした俺。
さすがに彼女も参っていた。
亮「ちょっと外にでるかい?」
美華「うん...夜風に当たってくる..亮さん..話聞いててほしい...」
亮「うん!任せろ!」
そうして彼女は玄関から外へでていった。
彼女が出ていった事を確認し目の前にあった缶コーヒーを開け一気飲みをした俺。
そして話を進めた。
亮「お姉さんも辛かったでしょ?美華ちゃんに会えなくて...」
お姉さん「はい...でも美華だけには楽しい人生を歩んで欲しかったのでもう母は死んだと親戚の方に言ってもらうよう伝えておりました。ちょうど母が交通事故を起こし、病院生活しか送れなかったので、外に出る事はないですから...」
亮「そおだったのか...ドライブインの時はもうお母さんは亡くなっていたの?」
お姉さん「気づかれてたのですね...はい。あの時はもう母は他界してました」
亮「じゃあどうして声かけなかったの?」
お姉さん「今まで、美華に会わないようしていましたから。髪色を変えてまでも。たまたまドライブインに寄ったら二人がいて、いざ会うと勇気が湧いてこなくて...」
亮「そおだったのですね...でもこうして今やっと会えましたね。美華ちゃんの勇気ある声かけのおかげで。ずっと寂しかったんだと思います。お姉さんもそうですが、美華ちゃんも。俺達にはそんな素振り全く見せていなかったですけどね...本当に強い子です」
そう。全くそんな素振りなんか見せたことはなかった。
思えば、笑った顔しか思い浮かばない。
”あ...でも電車から彼女を見た時泣いてたか...いつだったけな...”
そんな事を考えていると美華が外から帰ってきた。
そして、次は俺の隣ではなく、お姉さんの隣に座る彼女。
美華「お姉ちゃん...。会いに来てくれてありがとう。私頑張ってたよっ!お友達も出来たんだよっ!すっごく可愛いのっ!私の一番の親友。いやっ!それ以上なの!」
そお言って彼女はお姉さんの胸に飛び込んだ。
優しく彼女の頭を撫でる、お姉さん。
美華が外から入ってきたとき、笑顔でいたからお姉さんにも笑顔が戻った。
お姉さん「そっかそっか~!そんな可愛い子と出会えたんだねっ!よかったね~!」
その後も美華の話は止まらず、明け方になる頃までお姉さんに包まれながら、話をしていた。
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