第27話  天使の寝顔

 そして夕飯を食べた俺たちは会計を済ませ、ドライブインを後にする。


 ”さっきからずっと美華ちゃんの事を見ていた人は誰だったんだろう。知り合いかなぁ?でも知り合いだったら声かけるか普通...ん...?”

さっきドライブインでずっと美華の事を見ていた彼女。


 見た目は綺麗な大人の女性で、おそらく俺とそんなに歳が変わらないかちょい下。


 "...黒髪だったけど、凄く綺麗な髪質だったよな...遠くから見てもわかるぐらい...最近、綺麗な人、可愛い人を見すぎててそうゆう所に目がついいってしまう...それに..."


 亮「ってか...美華ちゃんの髪めちゃくちゃ綺麗だよな...」

そお言って彼女の方を見ると、今日の水族館をめいいっぱい楽しんでくれたのか、スヤスヤと眠っていた。

一瞬だが聞こえていなかった事にホッとする俺。

だが彼女のその姿はまるで天使の赤ちゃんのようだった。

彼女の寝顔を見ただけで幸せを感じた俺。


 "うん。そんな事どうでもいい。今日は本当にありがとな!"


そして俺は、そのまま彼女を起こさないよう、車のブレーキを最小限にし、帰っていった。


 

 そして次の日。


今日は昨日の幸せのひとときとは打って変わって、仕事が詰まりに詰まっていた。

昨日の天国からの地獄。

いくら人生平等だとはいえ、昨日の天国からの引き戻しが早すぎた。


 朝一から大忙しの中、なんとか午前中までのノルマをどうにか達成した俺。

昼休憩になった途端、即座にタバコを吸いに外に出る。


 "いや〜!キツイっ!"

これが社会の現実。


そんなことを思いながらどんよりした表情でタバコを2本、3本と吸っていた俺。

すると、スマホにラインの通知音が鳴った。


 "美華ちゃんかな?昨日のお礼のラインか?それとも、次のデートの誘いか?"

午前中の仕事で疲れたせいか、脳だけでもポジティブになろうとしていた俺。


 スマホを開くとそこには美華からではなく、小春さんからのラインだった。

どうしたんだろうと思い、タバコを消しすぐにラインを開く。

その内容とは...


 小春さん"亮さん、お疲れ様!昨日のデートの余韻に浸ってる所悪いんだけど、今日夜、飲みに行かない?"


小春さんからの急な誘い。何か美華の事わかったのかもしれないと思い、俺は午後からの仕事をすばやく終わらせ、飲みに行くことにした。

 

 

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