第19話 また凹む俺

 そしてなんとか彼女が落ちついた所で俺達はコンビニに着き、俺のタバコ、皆分のチューハイやデザートを買い、家に帰った。


 正直頭の中は混乱しすぎてて、パンク寸前。

だが、家に着きリビングの扉をあけると、あの話をまだ俺が聞いたというのを皆は知らない。


 何度も唯愛ちゃんに、顔面のチェックをしてもらい、俺も彼女に同じ事をした。


 そして扉を開ける前、唯愛ちゃんに言う。


 亮「大丈夫!俺に任せてな!」

俺のその言葉に勇気をもらった彼女も、悲しんでいた顔から、ようやく持ち直した。


 そして...

 唯愛「ただいまー!」

彼女のその言葉と同時に美華が彼女に駆け寄り抱きつく。


 美華「唯愛〜。寂しかったよぉ〜。」


 唯愛「私も〜。ってか美華もさっきご飯食べる前、美華だけ喫茶店いったじゃん!私も行きたいって言ったのに〜!」


 美華「あ..あれは、唯愛にゆっくりしててもらいたかったからだよ〜!結局ご飯の準備させちゃったけど...」


 唯愛「私だって同じだよっ!美華にゆっくりしてもらいたかったから…だからおあいこっ!」


本当に仲が良い二人だ。

見てるこっち側まで、恥ずかしくなるし、微笑ましくなる。

二人の力は本当に凄い。

二人がこうして話をしてるだけで周りの皆を笑顔にさせる。

だが今は、それとは逆に俺からしたら脅威を感じた。


 "俺に...俺に、この二人の中に入る隙間があるのか?"と。

これだけ両思いの二人はかなり珍しい。

男女でもなかなかないぐらいだ。


本当に言ってたように、お互いベタベタなのは誰が見てもわかるが、信頼関係や、助け合いが凄すぎる。


 "支えられるのか俺…"


先程この扉を開ける前、唯愛ちゃんに"大丈夫!"と言い引っ張ったつもりが、二人の状況に圧倒され、ますます不安になってしまった。


すると、

 「大丈夫よっ!亮さん!」

突然後ろから小声で言い、肩をポンッと叩いてきた小春さん。


 亮「また俺…顔にでてました?」


 小春さん「うん。出過ぎっていうくらいでてた...」

不安にはなっていたものの、自分自身では顔や態度に今回こそは表さないようにしようと頑張っていたが、無理なようだった。

それに美華について、唯愛ちゃんに話を聞いた事も俺の雰囲気でわかっていたらしい。

さすが小春さん。


 小春さん「あの二人の光景を見てたらそりゃあ入る余地なしって思っちゃうわよ〜でも、私も協力するから!一緒に頑張りましょ!」

こうして少しでも、フォローを入れてくれる人がいるという安心感。


彼女のおかげで俺の心は脅威から少々安心に変わった...はずだった。

次の日仕事中に小春さんからラインが届き、ある提案をされるまでは。


その提案した内容とは....



 「亮さんと、美華ちゃんでデートをする!」である。

 

 

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