第18話 美華の過去
俺はその言葉をきき、驚愕した。
全く頭の整理ができない俺。
亮「えっ?ちょっ...今一緒にいるのが両親じゃないの?」
唯愛「はい。美華のお父さんとお母さんですよ。今は...」
亮「....」
唯愛「今のご両親は美華の本当の父の親戚の方になります。美華の父が病気で亡くなった後、子供がいなかった、親戚の方が美華が小学校の頃、引き取ってくれたみたいです」
亮「じゃ...じゃあお母さんは?...それにお姉さんは?」
唯愛「美華が小学校に入った頃、両親が離婚しました。それで母の方に姉がついていき、姉妹はそこで離れ離れになっちゃったんです。そして美華が中学生の頃に本当の母は交通事故でなくなりました」
その話を聞き、美華の笑顔が頭に浮かび再び涙が零れそうになる俺。
悲しみ、落ち込んでいた俺に対し、彼女は俺に声をかけてくれて、支えてくれていた。
彼女だって過去に大変な思いをしてるのに...
そんな素振りなんか全く見せず、誰に対してでも明るく接していた彼女。
想像以上だった過去の話に、何も言葉を発する事ができなくなってしまった。
唯愛「美華のお姉ちゃんなんですけど、小学生の時に離婚をキッカケに離れて以来、どこにいるか、果たして生きているのかすらもわからないみたいです。お姉ちゃんと年は10個近く離れていると言ってました。そして...美華は...」
唯愛「美華は...お姉ちゃんのこと、今私の事を想う気持ちと同じぐらい好きだったみたいです。愛していたみたいです...」
その場で泣き崩れた彼女。
全ての話を聞き終えても、まったく頭の整理がつかなくなっていた俺。
とりあえず考えるのは後にすべきだと思い、その場で泣き崩れている彼女を支える。
亮「教えてくれてありがとう。唯愛ちゃん」
そして彼女が言った。
唯愛「美華の事、支えてください...私も頑張りますから...」と。
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