第15話  俺が彼女の家に?

 「おじゃましまーす!」

俺と小春さんは美華の実家にあがった。

奥からご両親二人が玄関まで出てくる。


 美華の母「いつも美華がお世話になっております~」


 小春さん「いえいえ~!こちらこそです!」


 美華の父「わざわざ忙しいのに来てくれて本当にありがとうございます。そちらの男性の方は?小春さんの...?」


 小春さん「いえいえ!違いますよっ!海さんのお友達です!」


 亮「初めまして。高橋と申します。」


 美華の母「初めまして~。海さんの件大変だったですね~...」


 亮「いえいえ...僕よりも唯愛ちゃんの方が大変だったと思いますし、それを美華さんや小春さんがしっかり支えてくれてるから、きっとあいつも喜んでると思います」


 美華の父「まぁ~せっかくのご縁ですから一緒に飲みましょう!さぁあがってください!」


一見普通の家族。

どちらかと言えば小春さんの言う通り、すごくいいご両親だ。

俺たちの考えすぎだなと確信し、その場の空気を楽しむことにした。


リビングに入ると、唯愛ちゃんがしっかりと料理の支度をしており、後少しで食べれる状態になっていた。


 亮「唯愛ちゃん...すげえな!」


すると後ろにいた美華がソファーに腰掛けた俺の隣に座ってきた。

 美華「唯愛凄いでしょ!よく家でご飯食べるんだけど、来てくれた時は、私が料理するっていつもしつこいのっ!だから任せてるんだよね~!」

確かに彼女のご両親もあえて手伝う様子はない。ちゃんと遊びに来ている唯愛ちゃんがお礼を込めてしている事なのだろうと思った。


 亮「美華ちゃんは?何もしないのか?」

少しからかってみる俺。


 美華「わっわたしは、唯愛の家に行った時は変わりにやってるよっ!」

その、アピールの仕方がたまらなく可愛い彼女。


 亮「そっかそっか。じゃあ俺は手伝ってこよっかな~!」

そお言って立ち上がろうとした時、


彼女が俺の服を少し掴んできた。


 美華「だったら...私も手伝う...」


 亮「........」


今のこの状況。小春さんと美華のご両親はリビングの向こうで、まだ話をしていた。

誰にもその声は聞こえず、俺にだけ聞こえてきた、この甘え声。


 ”可愛すぎる...”

俺はそう思った。

だが、彼女がそんな感じで言ってる中、可愛いなんて言えやしない。

冷静に大人の男を出す俺だった。


 亮「だなっ!皆で楽しくやるかっ!」


そお言って俺と美華は準備をしている唯愛ちゃんの所までいき、残りの準備を手伝った。


 すごく幸せな時間を過ごしている俺。

3人で色んな話をしながら晩御飯の準備をすすめ、そして皆でいただきますをした。

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