第12話 過去に転校?

 今日も仕事。


最近仕事が忙しくなってきた。取引先だった"海の会社"のおかげで、受注が以前に比べて増えた。


 七瀬課長「あともう一息仕事頑張ろうねっ!コーヒーいる?」

いつも俺の事を気にかけてくれる彼女。本当に心優しい頼れる上司だ。


 亮「いえ。あともう少しなので、このままいっちゃいます!」

そお言いながら残りの仕事に打ち込んだ。

せっかくの彼女からの気遣いのあるコーヒーを断る俺。

本当にありがたい事なのだが、俺は仕事終わりに美華がいる喫茶店で作ってくれるコーヒーを、楽しみにしていたのだ。


すると、

 七瀬課長「美華ちゃんがいる喫茶店に行くんだもんね~!」


急にニヤッとしながらその言葉を言われ、急に慌てだし、そこらじゅうにあった書類をばらまいてしまった俺。


 亮「いやいやいやいやっ!」


 七瀬課長「そんなに慌てなくても、顔にそう書いてあるし分かるわよっ!」

やはり課長には見透かされてるみたいだ。


 ”ん?まてよ...?課長なら彼女の事少しでも知ってるかな?”


彼女は唯愛ちゃんの親だ。

少しでも美華の過去の事を知ってると思い、聞いてみた。


 亮「あの...聞いてもいいですか?」


 七瀬課長「どうしたの?美華ちゃんに振り向いてもらう方法かな?」


 亮「違いますってっ!でもとりあえず彼女の事あまり分からないから、気になるのはあります。唯愛ちゃんとは幼馴染なんですか?」


 七瀬課長「中学からのお友達って聞いてるよ?唯愛からは。中学の時に転校してきて、それからずっと同じクラスで、友達になったらしい」


 亮「そうなんですか。それより以前の事とかは知らないですか?」


 七瀬課長「うーん。何回か転校を繰り返してたのは聞いた事あるけど、わかるのはそれぐらいかな。向こうのご両親とも何度かお話したことあるけど、とても優しくていい人だったし...」


 ”転校を繰り返していたのか...なんでだろう..."


頭に少し疑問を思いながらも、キッカケを見つけた俺は、残りの仕事を終わらせた。


 亮「無事、残りの仕事終わらせました!帰りに喫茶店寄ってみます!」


 七瀬課長「お疲れ様。私にできる事があったらなんでも言ってねっ!」


 亮「いつも七瀬さんには助けられてますよ。これからもよろしくお願いしますっ!でわ!お疲れさんでしたーっ!」

そう言って俺は、仕事で足が疲れている事に気づかないぐらいに、全速力で彼女のいる喫茶店へ向かった。


 カランカランッ!


 亮「いやぁ~!今日も仕事疲れたな~!いつものアイスコーヒー飲みたいっす!」

なぜか少し気を使い、気持ちはハイテンションで言う俺。

だが、今日は彼女はもう家に帰っており、そこには小春さんしかいなかったのだった。

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