第4話 結婚って習う?
海が不倫をした理由の話を聞き、励ます俺。
不倫ってどうなんだろうとも思った。よくネットニュースとかを見てて芸能人がよくネタにあがり叩かれているのを見るが、たまにその記事を見て、”なんてやつだ”と思った事がほとんどだった。
でも実際自分の友達がしたと聞き、目の前で事情をきくと果たして、その考えでいいのか?とも思ってしまう俺がいる。
彼には子供だっているし、ただ単に嫌いになったからって別れられるはずがない。
普通男ならすんなりと選べって言うのが普通なんだろうと思うが、聞けば聞くほどどうしようもない、出口のない暗闇の中で、現実か非現実のどちらかわからない所を永遠にさまよっていたのだろう。
考え方が甘いと言えば甘い。
でもその家庭ごとによって状況は必ず違う。
自分が幸せのテンプレを歩んできたからって、他の人が必ずそうなるわけではない。
誰しも結婚なんて学生の時に勉強なんかしない。だって大人ですらも分からないんだから。
でも彼に言える事はただ一つ。
”前に進め”と
もし彼が離婚せずにいたらこのタイミングでも会えなかったかもしれないし、何かの運命なのかもしれない。
心の底から初めて、友達を支えてやろうと思った。
そして、彼と別れ、また会う事を約束した俺たちは駅のホームで別れた。
そのまま新幹線に乗り、帰ろうかと思ったが、やはりあの喫茶店が頭の片隅に残っていた俺。
まだ時間はあるし、喫茶店まで行ってみる事にした。
”たしか...この辺だったような...”
辺りは完全に暗くなり、店も閉まっているところが多く、見つけるのが困難だった。
そしてようやく見つけた喫茶店。
だが、今日に限って臨時休業。
”せっかくの機会だったのに、今のこの酔った勢いならば、緊張もせずに入れると思っていたのに”
そう思いながら限界に来ていた足をどうにか動かし、再び駅まで戻る事にした。
そしてやっとの思いで駅のホームに着き、電車に乗り、窓から見える夜景を眺めながら物思いにふける俺。
すると...一駅すぎた所に見えた公園の近くの自動販売機に目が留まった。
一人の女の子が泣いていた。
それは他の人なら目に留まらないであろう。
自動販売機が照らす微かな光に、輝く涙が溢れ落ちているのに気づいたのは俺だけに間違いない。
なぜならそれはあの喫茶店にいた金髪の彼女だったからだ。
”何があったんだ...?”
”友達と喧嘩でもしていたのか?”
そんな彼女を電車の窓から見つめるもどうする事もできずに、電車は帰る方向へと進んでいく。
その時には、いつも笑顔の彼女が唯愛の事でどうする事もできずに、もどかしくなり、そこで泣いていたとは知りもしなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます