第四十話 〜恵慈恭弥〜
「最古の陰陽師…ですか?」
そういえば陰陽師について詳しいことはほとんど知らない。知っているといえばそれこそ安倍晴明くらいのものだ。
「恵慈。俺から話しちゃってもいいか?」
「ええ。構いませんよ。」
長老は本人に説明の代行を行う事に対して許可を得た。相変わらず細かいところでしっかりしている。
「陰陽師っていうのは『
長老が簡単に恵慈姓に関して説明をした。
「へぇー!すごいんですね!聞いたこともなかったですけど、そんなに昔から陰陽師っていたんですね。」
正直陰陽師なんて漫画とかアニメとかの影響で知った事柄ばっかりだ。そんなファンタジーが現実にあるなんて思っても見なかった。
「まあ、正直僕も最初は信じられなかったよ。陰陽師と言ったら平安時代のことかと思っていたし。そんな昔からいたなんて思ってもいかなったよ。ただ、陰陽師っていう名称が広まったのは確かに平安時代だね。それまでも陰陽師はいたけど、平安の世で活躍をしたことが名を馳せるきっかけになったと思うよ。というか、そもそもの名前も違ったみたいだしね。平安時代前は
恵慈さんも最初は驚いたと言っていた。そして、陰陽師の以前の呼び方も教えてくれた。
「そうなんですね。妖怪も平安時代が1
「うむ、まあ、恵慈についてはこんな感じのやつだ!支部でもやっていけそうかな?」
恵慈さんについても説明が終わった。支部長としては若い気もするが、それだけ人望も実力もあるのだろう。
「あ!はい!大丈夫です!よろしくお願いします!」
「うん、こちらこそ、よろしくね!とりあえず、今日はこの本部の中を紹介するけど、明日からは群馬支部でも仕事になるから、明日は明日でまた支部のみんなを紹介するね。」
「よろしくお願いします!」
そうだ。今日は本部での顔見せであって本来は群馬支部での仕事になるんだ。明日もまたこんな感じなのかな?それにしても恵慈さんは私と5歳くらいしか変わらないのにしっかりしてる感じだな!上司として尊敬できそう。もっとも、まだ仕事しているところを見たわけじゃないけど。
長老はやらなければならない仕事があるということで、次の案内は恵慈さんに引き継がれた。実はずっと一緒にいたキョンちゃんは長老の秘書だけあって、長老と共に仕事に戻って行った。ここでもキョンちゃんの優秀さを垣間見た。本来大臣は秘書を複数人従えている。それだけ、仕事量が多く、処理できないから複数人いるところだが、キョンちゃんはその業務を全て1人でこなしている。妖怪であり、肉体の限界を突破していることが大きな要因らしいが、元々の頭脳も高いのだと思った。
「それじゃあ、まずはこの場所について紹介するね。」
恵慈さんはそう言うと私を連れてこの場所について説明を始めた。
この本部はワンフロアでできていて、オフィスと食堂、会議室が数部屋といった感じの間取りだった。
その道中、ふと恵慈さんからこんな話があった。
「未来さんってわかりやすいとか言われたりしない?」
いきなりの質問にキョトンとしてしまったが、その質問にははっきりと答えられる。
「え?あ、そうですね、よく言われます。」
「未来さんは妖力や神通力のような超常の力に対する感受性がすごくいいみたいだね。そういう人って無意識に力を溜め過ぎないように力を反射したり透過したりしてるみたいなんだよ。その受けきらなかった力に乗せて未来さんの意識が相手に伝わることがあるんだよね。これから、訓練していく中で直していけるよ。」
目から鱗だ。私のわかりやすさには理由があったらしい。
「へぇー!私の分かりやすさって理由があったんですね!?すごい!」
実際に私は色々な場面で心を読まれてきていたけど、そんなことがあったんだ。しかも訓練すれば治るんだ!よかったー!
「まあ、それだけじゃなくて素直な気持ちが顔に出やすいっていうのもあるけどね。」
出鼻を挫かれた。それでも、前よりは良くなるとのことなので、一緒にポーカーフェイスの練習もしておこうかな……!
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