第6話【不吉な夢】
「オラァッ!!!」
「ぐはぁッ!!!」
龍牙の目の前にいた人が勢い良く吹き飛ばされた。
「くっ……やれ!!!」
次に龍牙のそばに居た2人が襲いかかる。
「ウオォ〜!!!」
しかし、龍牙は2人の攻撃を華麗に避け、2人の服を掴み引き寄せ、お腹にパンチを食らわす。
「ぐふぉッ!!」
バタッ……
そのまま倒れ込み気絶する。
「フッ…口程にもねぇな♪」
「オラァ!!!」
後ろからも攻撃を仕掛ける。
が、当たり前のように避け、反撃する。
「遅い遅いッ」
「カハッ…」
バタッ……
次々と襲いかかる奴らを片っ端から仕留めてく龍牙、それはまるで…魔王のような…そんな気圧を感じる。
「フフフ……」
余裕の笑みを浮かべ、指示してた、おそらく上の奴の方を見る。
「ひっ…お…お許しを〜〜!!!」
そんな捨て台詞を吐き、彼らは逃げる。
「楽勝♪楽勝♪ショウ、大丈夫か?」
「あ…はい……マスター、ありがとうございます…その、とっても強いんですね♪マスター♪」
「ふふっ♪まぁな♪しかし、なんだったんだ?あいつら?俺たちを捕らえるって言ってたが…俺達、何もしてねぇぞ?」
ドヤ顔をする龍牙、それを見て、少し笑いながらショウは答える。
「ふふ♪……そうですね…そもそも本当にマスターは何もしていないんですか?」
「うーん……知らんな…」
「それならいいですが……」
難を切り抜けた龍牙達は、目的地へ向かう。
「あの人達…どこかで見た事がある…というか……」
「ショウ、大丈夫か?」
「大丈夫です、ちょっと考え事をしてただけですし…」
「……少し、休むか♪」
「はい、分かりました……」
「備えあれば憂いなし、テントとか用意しといて良かったな♪」
二人は一旦足を止め、テントを建て始めた。
「ふぅ〜…これでよしっと、じゃあ寝る準備も整ったところだし、さっさと寝るぞ?」
「はい、分かりました…マスター…おやすみ…なさい…………スヤァ…」
「あぁ、おやすみって…もう寝てる笑…じゃあ俺も……」
龍牙はゆっくり目を瞑り、眠りについた。
「ん……あれ…また?…」
「目覚めろ…龍牙、お前は本当は…」
酷いノイズと共に聞こえる、不思議な声。
聞き覚えがある…
「う………頭…がッ……」
ノイズの性なのか、激しい頭痛がした。
「……めろ…龍牙…おま………とうは…」
さらにノイズが酷くなる、声も聴き取れない程に、さらに頭痛が酷くなる。
「なん…て……ぐぁ……あ"…」
遂にはなんの声も聞こえなくなり、ノイズだけは響く。
「ぐあ"……あ゛あ゛あ゛あ゛」
頭痛がやばい、意識が薄れていく、死ぬかのような、変な感覚で……堕ちていく…
「うああああぁぁぁ!!!!!」
大声を出し、龍牙は飛び起きる。
「ッ……はぁ……はぁッ…」
息が荒く、汗が止まらない。
ズキッ……
「いっ!!……」
まだ少し、頭痛がする。
とてもリアルな感覚だった…
「くっ………っそ…」
酷い夢だった、でも、龍牙は疑問を抱く。
「……なんでいつも…覚えがあるような感覚になるんだ……」
そう、初めて見る夢なはずなのに、何故かいつも、懐かしいような、覚えがあるような感覚になる。
「くそッ……訳がわかんねぇよ…ショウの事やラトの事といい…」
「ん……マス…ター?…急に大きな声出して…どうしたんですか?……」
眠そうな顔で、ショウは龍牙に聞いた。
「……なんでもない、ただ、夢見が悪かっただけだ。起こして悪かったな…」
「大丈夫…です……ふわぁ〜…すみません、もう少しだけ……寝ても…いいですか?…」
「あぁ、ゆっくり寝ろ。おやすみ♪」
「はい……おやすみなさい………すやすや…」
ショウはゆっくり眠りに落ちる。
「……」
本当に、ココ最近、俺の妹が死んでから…色々とあるな…。
また少し、動き出す…"運命"の歯車。
これからも、動き出す…動き続ける…
導かれるは……運命(さだめ)
6話【不吉な夢】
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読んでいただきありがとうございます!(´▽`)
良ければ感想をお待ちしております♪
続きをお楽しみに♪
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