第2話【ショウと龍牙】
冷たい………
暗い……
怖い………
お兄ちゃん…
ラトお兄ちゃん…怖いよ……
……「ショウ…こっちだ……」
一筋の光、あたたかく、大好きなぬくもり…
「明るい……へへっ///」
お兄ちゃん……ありがとう…
「……ここ……は…」
人形の目が開く、とても綺麗な、黄色い目。
少しヒビはあるが、とても美しい。
「動いた……よっしゃ!!!」
龍牙は達成感で、思わず声が出てしまう。
「だ……れ…?」
ゆっくりと言葉を話していく人形。
「おっと…あ〜……俺は龍牙、だ、お前は?」
「ぼ……く?」
「そうだ、名前、あるだろう?」
「……わか……な…」
少しずつ発せられる言葉は1部1部で、まだ上手く話せないようだ。
「分かんないのか?」
龍牙がそう聞くと、首を縦に振る。
「そうか……じゃあ、どうするか…うーん……」
「あ……え……」
「ん?」
何か言いたそうだが、よく分からない。
「あ…し……ショウ…」
「ショウ?」
人形がまた縦に首を振る。
「お前の……名前か?…ショウ…よろしくな…」
「よ……しく……」
それから俺らは、何故か一緒に、行動を共にすることにした。
だけど、不思議と嫌気はしない、なんでだろうな…。
それから龍牙は時々ショウのメンテナンスや学習プログラム、人工知能などを工夫して、グレードアップした。
言葉を教えていくうちに、いつの間にか、「マスター」とも呼ばれるようになった。
「そういえば、なんでお前はあんなとこにいたんだ?あんな廃墟に」
「それが…分からないんです……」
「分からない?」
「はい、よく分かんないんですが、ただ、ショウという、私の名と"兄"、ラトがいた事しか……」
「ラト?」
「はい、少し、曖昧で…よく思い出せませんが……微かに、声を覚えていて……」
ラト、どうやらショウの兄らしいが、そんな名前、初めて聞いた。
「とても落ち着く、優しい声で……とても好きな声でした…」
「そうか……」
そういえば、なぜあの場所に、ショウは居たのか、それに、あの黒い奴が言ってた言葉……
「マスター?おーい!」
「あぁ……すまん、ちょっとぼーっとしてた」
「そうですか、では私は、一旦掃除をしに行きますね♪」
「あぁ、ありがとう」
ん?おかしいな……ショウに、そんな感情、入れた覚えは無い……
というか、ショウは人形、人工知能がついたロボットみたいなの…なのに………
なぜ…好きや、落ち着くなどという感情が……あるんだ……ショウ…お前は……
いったい……なんなんだ…?
第2話【ショウと龍牙】終
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読んでくれてありがとう♪
書くのが楽しくなってきたぜ✨
これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします(>人<;)
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