第0話【始まり】
僕の名前は……まだ無い、名前も…自分が誰なのかも、分からない
「……ショウ……ショウ……」
誰かが呼んでいるように聞こえる…誰だろう…
優しい声…とても、落ち着く声。
ショウ?僕の……名前?
分からない…何も、分からない…
「……!!……!!!」
もう一つ…声が聞こえる……
すごく、何かを言っている…とても大きな声…
なんだか……苦手なん声だ……さっきとは、まるで違う…
「ッ〜!!……!!」
声を出したくても…何故か上手く出ない。
なんの話しをしてるの?分からない…なんだか怖い、誰か……
不安な気持ちがこだまする中…また1つの声が聞こえた。
あの優しい声でも、とても嫌いで苦手な声でもない…
よく分からない…けど、僕の大好きな声だ…
「ごめん……ごめんな…」
何故かその声は…ただひたすらに、謝っていた。
泣きそうな、悲しそうな声で。
ずっと……ずっと…
「ごめん……ごめん…」
謝らないで…泣かないで欲しい…必死に声を出そうとする…
でもその声は…小さく、暗闇の中へ消えていく…届かない…。
「ッ〜!!ッ〜!!」
伝えたい……大丈夫って、言いたい…あぁ、神様…僕に最後の力をください……
"人形"になってもいい…なんでもいいから…声を…届けたい……お願いします…
どうか…力を……"兄"に伝えたい…!!
「……!!…泣……いで…」
あぁ…声が…出た……届く…声が、気持ちが……
「……泣かな…いで……だい…じょうぶ……」
思いを伝えれた…あぁ、神様……ありがとう…これで、安心して……ねむれ…る…。
薄れゆく意識の中…あの声が聞こえる…
「ありがとう…」
その声とともに…プツンっと、僕は何も、感じなくなった。
あれから何年…何日たったのだろう…
暗い…とても暗く…深い、まるで、深い海に落ちていくかのように……暗い底に…
"堕ちていく"
でも…僕は……忘れない…『ショウ』…名前を……そして…あの声を……『兄』を……忘れない…
第0話 【始まり】終
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このショウくんは何者なんでしょうかね♪
良かったら、感想をください!!アンチも大歓迎ですので笑
読んでいただき、ありがとうございました!!
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