箱根駅伝への憧れ
毎年箱根駅伝を楽しみにしている。贔屓の大学がいる訳ではないが、一年からエース区間を走るような選手の名前は割と覚えている。四年間でその選手がどんどん成長し、風貌が垢抜けて変わっていくのを見るのもちょっと楽しみだったりする。やはり山登り区間が一番面白い。近年の高速化は凄まじく、もう未来永劫更新されることはないだろうという区間記録が、翌年サラッと塗り替えられたりする。お正月の晴れやかな空気の中、沿道から大勢に応援されながら走るのは気持ちいいだろうな、と思う。
自分は20歳の頃に一度ハーフマラソンを走って以来、長い距離を走ることがなかった。学生時代ずっと運動部だったことから、職場で駅伝に誘われたり、ランニングクラブのようなところに勧誘されたこともあった。しかし飲酒と喫煙でダメになったこの身体で何キロも走ることは考えられなかった。夏は暑いし、冬は寒いし。しかし今年の1月2日、こたつに入って駅伝を見ていると衝動的に走りたくなり、その日のうちにランニングシューズを買ってしまった。買って満足してしばらく放置していたが、寒さが緩んだ3月のある日、外を軽く走ってみた。気持ちがいい。小学生の頃、校内のマラソン大会で2位になり、市の陸上記録大会に出たことを思い出した。中学や高校でも部活のトレーニングで毎日河辺を走っていた。実は自分の人生の半分近くは日常的に走っていたのだった。走ることの楽しさを思い出した自分は、佐渡ヶ島で開催されるマラソン大会にエントリーし、十年ぶりに走ることを再開した。今年(2023年)は十キロの大会に2回出た。タイムはひどかったが、なんとか完走できた。次はハーフマラソンに出る。まずはハーフで2時間を切ることを目指している。最終目標は東京マラソンに出場し、フルマラソンの部を完走することだ。箱根のランナーのように都心の街を走ってみたい。快晴のビル街を走るのは最高だろうし、完走したらきっと達成感がすごいはずだ。先は長いが、30代でもトレーニングさえ積めばフルは走れるようになると信じている。人生はまだ長い。もう一度走れる身体を作って、挑戦したいと思う。
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