スニーカーを洗う

 心が弱って内向きになっているときは、どうしても悪いことばかり考えてしまう。楽しいことなど二度と起こらないんじゃないのかと暗い気持ちになる。

 そんなときは、部屋を片付けたり、晴れていたら長い散歩をしたりする。広い銭湯に行ったり、バカっぽい内容の映画を観たりする。そして少し余裕があったら、スニーカーを洗う。スニーカーを洗うのは一種の儀式だ。自分が動き回るための道具を清めることで、なんとなく足元が綺麗だと悪いものも寄ってこない気がする……スピってる気がして嫌だな。それでも靴がきれいなら外へ出ようと思うし、外へ出れば何かしらの気晴らしがある。服の洗濯みたいな日常的な家事では無い、ちょっと特別なイベントとして靴の洗濯がある。

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