コミュニケーションの話

 コロナ禍で在宅勤務をしていた一時期、人と会話することが無くて苦痛だった。どうやら自分は、職場の同僚とのどうでもいい雑談に結構救われていたみたいだ。天気が良いだとか、野菜が値上がりしたとか、電車が止まって大変だったとか、他愛もないニュースを人と共有すると、自分が社会とつながっていることを再認識できる。あと、単純に会話を通して知らない人とだんだんと仲良くなるのは楽しい。職場に異動してきた人と話かけてみたら、共通の友人がいることが判明して仲良くなったりすることがある。人脈がどうこうという話ではなく、会話から人の解像度が高まっていくのは嬉しいものだ。あと、当たり前だが対面して話すときの身振り、喋り方、距離感などはコミュニケーションのかなり重要な部分だと気付く。この点は、オンラインのビデオ通話などではなかなか分からない。メールやチャットより直接会った打ち合わせの方が上手くいくことが多いのは、直接相手と対峙することの安心感があるからだと思う。そして、会ったときに感じる第一印象はその後の付き合い方にとても影響を持つ。最初の印象がさらに強まる場合と、意外な一面を見て改まる場合がある。顔つき、立ち振る舞い、服装など、言葉を交わさなくても伝わる人柄のようなものがあって、同じ空間で目が合った時点でコミュニケーションは発生している。

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