発散
マラソン大会に出ると、タイムを縮めるために極限まで自分を追い込むことになる。ゴールの直前、何キロも走ってきて、残り300メートルでダッシュすると完全に体力の残量がゼロの状態でゴールできる。その後しばらく動けなくなるけれど。限界に挑むのはきついが一方では快感でもある。俺はドMなのかもしれない。
しかし極限状態を経験した後、どこか爽快感を感じることがある。身体を限界まで動かすことで、自分の中に溜まった毒が抜けるというか、ストレスが発散できている気がする。こういったところで毒を逃してやらないと、いつか本当に人を傷つけてしまうかもしれない。むしゃくしゃした気持ちは自分を痛めつけて解消する。健全な自傷行為みたいだ。
半年に一度くらいのペースで会って、毎回中華料理を食べに行く友達がいる。割と近い業界で働いているので、共通の話題がいくつもある。お互いに近況を報告しながら、街の中華屋で暴力的な量の中華を食べる。限界まで食べまくって、満腹になったらサッと解散する。そして半年ほどして思い立ったらまた街中華に誘う。これくらいの距離感の友達はありがたい。そして中華料理を腹に詰め込むことだけで得られる快感がある。欲望のままに暴食することで満たされる何か。焼肉でもラーメンでもいいのかもしれないが、やっぱり街中華がいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます