名作映画上映会
大学4年になった春の日、大学の図書館に「名作映画上映会」のポスターが貼ってあるのを見つけた。大学に映画同好会があるのは知らなかった。どうやら発足したばかりらしく、上映会も初回らしい。会場は図書館が改修された際に新しくできたホールだった。何の映画をかけるのかも調べないまま、暇だった自分は寄ってみることにした。
広い会場には10人くらいしか集まっていなかった。壇上に緊張でガチガチの男子学生が上がり、同好会を立ち上げたことや上映会を初めてやる旨を話して、映画が始まった。映画は『素晴らしき哉、人生』だった。あまりに良すぎて感動でボロボロ泣いた。ラストシーンで涙を拭いているときに眼鏡を落としてしまい、エンドロールが全然見えなかった。本当に良い映画だったし、映画同好会が初回に上映するのに相応しい映画だと思う。会場を出る時、上映前に挨拶した男子が『映画同好会厳選!名作映画リスト』なるA4版のビラを配っていた。手渡されるときに目が合い、どう考えても泣いた後の自分の顔を見られて恥ずかしかったが、彼はの表情嬉しそうだった。
あれからもう10年近く経つけれど、そのリストは今でも大切に持っている。これを制覇することが小さな生きる目標だ。
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