第7話 体育祭 Part2
「好きな料理は何?」
「えーっとー」
弁当の特訓の為なのか、俺の好きな料理を
答えないわけにはいかない、素直に言おう。
「美味しければ何でも」
そう、食に興味はない。
美味けりゃなんだっていい。
雨宮さんはそれを聞いて数秒考えてから、次にこう言った。
「じゃあ、嫌いな食べ物は?」
嫌いな食べ物はー…あっ、1つだけある。
子供っぽいかもしれないから恥ずかしいが、聞かれたことには答えざるを得ない。
「生野菜」
「野菜?」
「生はダメだ」
炒めたり蒸したり茹でたり焼いたりした、熱を通した野菜であればかろうじて食べられるが、生だけはダメ。
苦くて嫌になる。
ラーメンに切っただけのネギや洋風にあるパセリ、添えられたキャベツなどは必ず残す。
サラダなんか手を付けない。
それだけ苦手なのだ。
「分かった!ありがとう!」
雨宮さんはどころかへ行った。
去り際に一言。
“『生の野菜が苦手…可愛い!』”
どこがだよ!
※
あと1週間と迫ってきた体育祭。
これが終わると寒い12月に文化祭が待ち構えている。
この高校は大型イベントを2学期にまとめてやるため、受験生の3年生にとってはハードである。
だから3年生は体育祭は参加をするが、文化祭は不参加となる。
が、個人的にまたは部活に所属していると文化祭の参加は叶うわけで。
ということで、2年生である俺は帰宅部なので、個人的に文化祭に出ることはないから今年で最後となるのだ。
俺はイベントへの熱量はそんなにないが、周りのみんなは気合いは十分。
眩しいくらいに。
どこから湧き上がるのかその熱量に不思議に思いながら、準備を進める。
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