第5話 誤解は早めに解こう

『公園にいたよな?覗いてたよね?』

『うん…』


 やっぱりな。

 公園の出入り口にいて俺と金澤かなさわさんの様子を見ていたのは、雨宮あまみやさんだった。

 俺をスーパーで見かけて声をかけようとしたら、金澤さんが先に俺に声をかけた為、どうしようか困り果て、どこかへ移動したから着いていって様子を見ていた。

 ということのようだ。

 なるほど、悪気はなさそうだ。


『ちょっと気になって…ごめんなさい…』


 謝らせてしまった。これはまずい。


『いや、別にいいよ。悪気はないんだし』


 その後に金澤さんとは小中一緒だった顔見知りだよと伝えると、驚いた顔のスタンプがきた。


『えっ?本当に!?』


 なるほど。予測すると勘違いしていたかもな。

 初恋でもなんでもない、ただの顔見知りなのだから。


『そっか、分かった』


 何を分かったのかは分からないが、まあ誤解は解けて良かった良かった。



 雨宮あまみや 優希子ゆきこ sid


 初恋の人かと思って泣いていた。

 けど全く違う。同じ小中だった人だった。

 安堵の涙が流れる。

 ライバルなんていたら私なんかは勝てない。

 あの人、美人系だったから、本気のおめかししたら綺麗に可愛くなる。

 私なんか平凡過ぎて自信をなくす。

 本当に良かった、まだまだチャンスはある。

 好きが膨らんでいるのは分かっているからこそ、努力を怠ることなく磨かないと。


 

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