第2話

本を全部読んで、




ようたは荷物をまとめて出かける準備をする。




窓を見るともう夜だ。




学校の正門前まで歩いて出た。




夜空の冷たい風がようたに吹く。




「暖かいね…」本当に"




「誰よりも······""




夜道をとぼ歩く。




明るい月が街を照らす。




街には人が一人もいなかった。




「あれ?きっと村に行事があると聞いた気がするけど…」




ようたは道を歩き続けた。




ずっと道を歩いているのに、本の最後の内容がずっと思い出される。




「私は結局一人…」




「その次は?」




ようたは道を歩いていて物思いにふける。








ようたの回想が出る








放置主義的すぎる親···




甚だしくは幼い時に飢え死にしたこともある。




周辺に他の親戚や家族もいなかった。




もちろん友達も···








ようたの回想背景がもっと暗くなる








家庭内暴力、他の子供にやられる暴力、そして




無関心…···




凄惨な昔の姿が出てくる




ようたは急に泣き叫ぶ。








「誰も私に本当に近づいてくれない!」




「誰も私を好きになってくれない…」




これまで我慢していた心の痛む言葉を吐き出す。








明るい月を見ながら話す。




「ああ…お月様…」私は存在自体が罪ですか?」




「とてもつらいです···""




「お月様、風様?」




「私の友達になってくれませんか?""




号泣する···




泣きすぎてめまいがする。








道を歩いていると、遠くから明るく輝く丘の上のある神社が見える。




「何の祭りが開かれるんだろう?""




「うらやましい…···""




遠くにいるのに、人々の笑い声が聞こえる······




「すごく幸せそう..."'




自分の立場と非常に比較される。




ようたは遅れてそのまま家に帰る。








この後······








ようたは家に着いた。




ドアをたたく。




誰もいないことを知っているが、呼んでみる。




「ただいま…」




帰ってくるのはこだまだけだ。




ようたは鍵でドアを開けて入る。




入ってドアを閉めて火をつける。




電灯も交換する時が来たのかうっかりする




ようたは慣れているようにお湯を沸かす準備をする。




カップラーメンを用意する。




食卓に置く。 それから




洗おうと準備しているのに何かを感じる。




確かに朝、床に落ちていた物の位置が変わっている。




「何か通りすがりに足で蹴ったのかな?""




ようたはもしかすると両親がすごく久しぶりに帰ってきたと思って···




2階にある両親の部屋に向かって走った。




しかし、本音はそんなことはないということを知っていた。




ようたは部屋の前に着いた。




「やっぱり…···""




電気も消えていて、何の音も聞こえなかった。




「そりゃそうだ、私の勘違いか…」




しかし、妙な感じがした。




念のためドアをゆっくり開ける。




部屋の明かりをつける。




ようたは部屋を見失い始める。




見かけは何も変わっていないように見えた。




するうちに突然ようたは驚く。








机に一手紙が置かれていた。




ようたはゆっくりと手紙のある机に向かって歩いた。




「やっぱりご両親がいらっしゃった…」




ようたは手紙を手に取った。




ようたは震える手でゆっくりと手紙を開けてみる。




読む。








「ごめんね」








何か急いで書いたような誠意のない一文だった。




これを見てようたは直感的に分かった。








二度と戻ってこないということ···








部屋の周りをよく見ると······品物などを探して出かけたに違いない。




両親の引き出しなどを開けてみた。




確かに掃除の時に入っていた余分のパスポートなどもなくなった。




「まさか外国に逃げようとしているのか…」""








ようたは最後の人生の希望までもすべて失った。








目の前が曇る。




よく見ると···余分なお金も全部なくなった。




ようたの顔は涙でいっぱいだった。




ようたは手紙をくしゃにしてしまった。








「すまないなら一緒にいてくれ…」




「たった1秒でも…」




ようたの姿はまるで死者に他ならなかった。








ようたには何も残っていない。




ようたは下がる。




「一応作っておいたカップラーメンでも食べよう…」




ようたは自分の部屋に戻ってくる。




ラーメンのふたを開ける。




吹き出した麺とかわいいキャラクター模様のおでんが見える。




ようた笑いながらおでんに話しかける。




「私の友達になってくれる?""




「私は…これからどうすればいいの?」""




ラーメンに涙がぽろぽろ入る。




食べようとしたあの時···




急に家の電話が鳴る。




ようたは電話機のところに行く。




「もしもし」




先生だ。




「あの…···ようた、もしかしてお前か?""




「もしかして、ご両親いらっしゃるの?""




ようたは何も言えなかった。




その後、先生が聞き続けると······ようたは言った。




「両親はしばらく出かけました···""




「そう?」




「両親が帰ってきたら私が電話したと言ってくれる?""








「急に学校に授業料を全部出して持って行ったらどうするの?」""




ようたは驚きすぎて電話機を誤って落とす。




もう学校にも通えない。




ようたはとても慌てて一瞬理性を失った。




離れた電話機をそのまま置いて一旦部屋に入ってくる。




気が気でない。




妙に不吉さが感じられる。




まず、自分の部屋に何が残っているかを把握する。




幼い頃集めておいた可愛い小さな貯金箱一つが全てのようだ。




とりあえず机に乗せておく。




すると突然外でドアを誰かが叩く。








ガンガンガン




ガンガンガン




ガンガンガン

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