〝きみ〟に伝えたいことがある。



凪くんに、笑う表情の、

練習をしていたところを見られて数時間。




放課後、横に並んで歩く帰り道は、

昔からやっぱり凄くドキドキするのっ。




気持ちが溢れ出そうになると同時に。




もの凄く、不安にもなる。




凪くんといるところ、

〝誰か〟に見られたらどうしよう?




なんて、不安になったりするのっ。




次の日に、『釣り合わない』なんて、

ネタにされて、バカにされたら嫌だなって。




凪くんが、

センス悪いなんて思われたら嫌だなって。




そう、思っていると..................




「なぁ、桃。これから、俺ん家来ない?」




ゆっくり告げられた言葉はそんな言葉で。




何かあるのかな?って思ってると。




「俺、やっぱり、桃に伝えたいことがある」




そう言って、

凪くんの熱い視線が私に向けられた。




私も、〝きみ〟に伝えたいことがある。




なんて、言えたらどんなに楽なんだろう?




この時の私は、

ぼんやりとそんなことを考えていた.........

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