笑う角には〝きみ〟がいる。



──────翌日。




今日も学校では1人。




でもね、時々思うの。




凪くんに少しでも近づきたいって。




そんなの、欲張り過ぎるって分かってる。




だから、その気持ちが溢れないように.........




そっと、凪くんが中心にいる場所から離れた。




一緒に帰るからって、欲張ったりしたらダメ。




凪くんは人気者で、私は友達いない。




違う世界の住人のようなものだから.........




廊下の奥の角のところ。




鏡があるところまで来て、

ニーッと表情を作る練習をしていたとき。




「ふっ、なにやってんの、桃」




聞き覚えのある声が聞こえて来た。




「.........っ、わわわっ!なっ、凪くんっ!」




見られてるとか恥ずかし過ぎて俯いたのに。




「俺、やっぱ桃の笑顔好きだわ」




優しいトーンで聞こえて来た凪くんの声。




廊下の角で、

笑う表情を作る練習をしてたら。




凪くんと話せるなんて...............




笑う角には〝きみ〟がいる。




なんて、思っちゃたよ、私。

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