〝きみ〟がいれば充分。

二宮みぃ。

いつでも〝きみ〟が。




私、桜田桃奈(さくらだももな)の隣には。




いつでも、〝きみ〟がいる。




〝きみ〟は幼なじみでありながら。




いつもクラスの中心にいる人気者で。




笑顔がカッコよくて、モテモテで。




友達がいない私とは大違いの男の子。




名前は、沢島凪斗(さわしまなぎと)。




私は、幼なじみだから、

『凪くん』なんて呼ぶこともあるけど。




そんなこと、学校ではしない。




学校では、『沢島くん』って呼んじゃうのっ。





だって....................................




私には友達がいないから。




だから、気軽に『凪くん』なんて呼べない。




人気者過ぎる、凪くんが中心で、

囲まれているのを横目に教室を出て玄関へ。




ひと言、言えたら良いのにって思ったとき。




「桃っ、先に帰るなよっ!」




凪くんに呼び止められた............っ。




「...............っ、凪、くんっ、」




どれだけ、

1人ぼっちって思っても、いつでも〝きみ〟が。




私の隣に来てくれるのは凄く幸せなんだ。

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