おふざけ〝キス〟



潤希の不意打ち〝キス〟から1週間。




時は放課後。




クラスの中心にいる潤希が、

大注目を、全員浴びているところ。




私が、潤希の横を通り過ぎようとしたとき。




突然、──────グイッ!と腕を引かれた。




「今日は、コイツにするわ公開すんの」




いつもよりトーンが低くて、

カッコいい潤希の声が聞こえたと思えば。




「............んっ、」




間髪入れずにスマートに塞がれたくちびる。




どのぐらい塞がれてたなんて分からない。




でも..............................




「おー、潤希のおふざけサイコー」


「長谷川おつーーーー!」


「つか、潤希のおふざけにしては地味?」


「今までと系統違くね??」




口々にそんな声が聞こえてきて理解した。




このキスは、おふざけ〝キス〟に過ぎないと。

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