風が好きだった。
吹き抜ける風。肌を撫でる風。
何も見えない。形はなく、肌で感じるそれが好きだった。
少し感覚を集中させると、そこにたくさんのものが詰まっていることがわかる。全てを細かく理解できるわけではないが、地球の歴史といえるのだろうか、そんなものがそこにあるものを感じる。まさしく、星の息吹きである。
山から吹き下ろす風に、海が見えることがある。空と繋がっていることを感じる。森を吹き抜け、木々の香りをのせているのが分かる。
人の身で感じることは少ないが、世界、いたるところ、すみずみまで、その風が旅してきたことを感じる。
風を通して、見えぬ世界があることを、思いを向けることが好きなのである。
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