1-2
*****
翌日の早朝。
アルマが
「おはようアルマ! よく
「ク、クラウディア様、おはようございます」
「今日も朝からキュートだわ。そうそう、せっかくだから二人でデートしたらどうかと思って迎えにきたのよ。お互いのこと、全然知らないでしょう?」
「今からですか!?」
突然の提案に
中ではネクタイをした彼が
「おはようコンラート! まあ、もう仕事をしているの?
「クラウディア様、あの、私は別に今でなくても」
「ほら、早くコートを持って! 行くわよ!」
執事長が薄手の
(きゅ、急すぎない……?)
恐る恐る
(まあ昨日はほとんど話せなかったし……どんな人かを知るチャンスよね)
アルマは気を取り直すと、改めて
こんな早朝だというのに身支度は
「……なにか?」
「えっ!? あ、いえ、綺麗なお顔だなあと思いまして」
「アルマとしては
(な、何か気に
気難しい公爵閣下という単語が頭をよぎり、アルマは必死に
「あ、あー、あの、良ければお庭を案内していただけませんか?」
「…………」
「すごく広いですよね。ゆっくり見てみたいなあ、なんて」
アルマの提案に、コンラートはようやく少しだけこちらを振り返った。
その直後、さっさと庭園の方に歩き出してしまう。
(な、なんとか言ってほしいんですけど!?)
読めない行動に
話題作りに、近くにあった花を適当に
「綺麗な薔薇ですね。なんていう名前なんですか?」
「分からない」
「そ、そうですか……」
(会話が続かん……)
その後もアルマはあれそれと庭園の美しさを
かと思えば、何もないところでじっと立ち止まっていることもあり、アルマはいよいよ彼の
(まるで犬の散歩……? この場合、どっちが犬なの……?)
おまけに足早に歩き続けたせいか、背中の
「す、すみません、あの」
「…………」
すると彼は突然、着ていた外套を
近くで目にする彼の体は、服の上からでも分かるほどしっかりしており、アルマはついドキドキしてしまう。
(もしかして、私に―― )
だがコンラートは外套を広げたところで、不自然にびしっと
「……コ、コンラート様?」
「…………」
彼は心なしか顔色を悪くすると、何故かそのまま外套を
面食らったアルマは、ついに「は?」と口に出してしまった。
(いったい何がしたかったのよ!?)
こうして庭をぐるりと一周したあと、二人はやっと玄関前に戻ってきた。執事長が迎えに出て、コンラートは一人さっさと邸の中へ入っていく。
その背中を見送りながら、アルマは「ははーん」と
「なるほど、これはめんどくさいわ……」
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