04 双子(時雨&飛鳥)

 弟に良いところを全て持っていかれた兄。それが高校での俺の評価だ。

 実際、飛鳥あすかは勉強も運動もよくできる。背も高く、顔も申し分ない。俺はというと、あれって本当に飛鳥くんの双子のお兄さんなの? と後ろ指を指される仕上がりだ。

 両親は仕事でいつも帰りが遅い。夕食も飛鳥と二人だ。先に帰ってきていた飛鳥が、作り置きの惣菜をレンジで温めようとする前に、俺は一発殴った。


「ごめんなさい、時雨しぐれ……今日は何がダメだった?」

「高校では無視しろって言ったろ。目線合わせてきやがって」

「それだけ……?」


 そう、それだけ。理由なんて何でもいい。飛鳥を従わせることができるのなら。俺は靴下を脱いだ。


「指」

「はい……」


 飛鳥は床に這いつくばって俺の足の指を舐め始めた。何度もそうしつけているうち、上手くなってきて、舌の先で指の間をつうっと沿わせることもできるようになった。しかし俺は言った。


「下手くそ」


 そして、そのまま足を蹴りあげた。まともに顔面にあたり、飛鳥はぐえっと悲鳴をあげた。


「高校で調子乗ってるせいじゃねぇか? また女の子と一緒に居たろ」

「あれは、違う……」

「違わねぇよ。相手の女、相当お前にデレデレしてたな。無駄に色気ばっかりふりまきやがって」


 俺は飛鳥の髪を掴んで立たせ、ソファへと引っ張っていった。彼を座らせ、自分で下着をおろさせた。


「やれ」

「はい」


 いつも成績がトップの飛鳥くん。足も速くて球技もできる飛鳥くん。人当たりがよくて誰からも慕われる飛鳥くん。

 そんな奴も、この家の中では俺の言いなりだ。


「ふっ……ふぅ……」


 飛鳥は自分のものを激しくしごいた。俺はスマホを取り出して撮影を始めた。もちろん彼の顔も写している。


「この動画撒き散らしたら、高校の奴ら何て言うだろうな?」

「やめて……時雨、それはやめて……」


 それでも動きを止めない飛鳥。まあ、そうだろう。ここ一週間は我慢させていたのだから。


「自分は兄の前でしか自慰ができない変態ですって言ってみろ」

「僕はっ……兄の前でしか……自慰ができ……ません……変態です……」

「よく言えたな」


 頭を撫でてやると、その瞬間に飛鳥は達した。床に白濁した液体がぴゅるりと落ちた。


「飛鳥。お前は俺の自慢の弟だよ。大好き」


 そう言って抱き締めてやると、飛鳥はぷるぷると震えながら俺の背中に手を回してきた。

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