第30話 駆け抜ける嵐★
《ア、アラビアンナイト?》
“
《“
《AP180って、HP180が一瞬で消し飛ぶってこと!?》
『なんだそりゃ!!?』
『パワー系なんてもんじゃねーぞ!』
『エバさんのHPだって108しかねーのに!』
エバさんとケイコのやり取りに、視聴者が驚愕のコメントを返す!
“……くくくっ、そのとおり。前衛後衛問わずの難敵だが、
https://kakuyomu.jp/users/Deetwo/news/16817330669172144279
《“
エバさんの社長さんは彼女の旦那さんであり、伝説の “運命の騎士” !
召喚魔法で呼び寄せることができれば、希望が拓ける!
《ですが、それこそが “僭称者” の目的なのかもしれません―― “トレバーン陛下” を魔界から呼び出したのも、わたしにあの人を召喚させるためだったのでしょう?》
“……聖女窮地に陥るとき騎士現る。逆もまた然り。貴様たちは表裏一体。光と闇。狂王の召喚は我の挨拶代わり。だがあの場で思い至らず “真祖” に教えられて初めて気づくとは興ざめも甚だしい”
《そんな回りくどいことしないで最初から出てくればよかったのよ! 男らしくない爺さんね!》
“――なればこそ、今回はこうして現れた! さあ我のこの一手、いかに受ける! ニルダニスの聖女よ!”
《エバ!》
“僭称者” が問い、巨人が豪腕を振り上げ、ケイコがエバさんに
《
エバさんは
《
《
《
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《
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しかし “大気巨人” の振った巨大な拳は、エバさんが次々に張った半透明の防壁を易々と粉砕し、彼女たちの頭上に振り下ろされる!
《
エバさんが叫び、レンゲとケイコと同時に三方に跳ぶ!
直後それまで三人がいた空間に、圧倒的な質量が叩きつけられた!
石床が砕け破片が散弾のように、周囲の “吸血鬼” たちをズタボロに吹き飛ばす!
“いつまで
《エ、エバッ!》《エバさんっ!》
《“僭称者” はあの人を呼び寄せたがっています! 策略を見極めずに呼ぶわけにはいきません!》
“ならばどうする!”
《こうするのです! 目には目を、歯には歯を、そして風の精霊には風の精霊を! ――出てこいシャザーン!》
《ハイハイサーーーーー!!!》
次の瞬間、“僭称者” の後ろに控える “大気巨人” に対抗して、エバさんの背後にも半透明の雲衝くような大巨人が現れた!
“大気巨人” を上回る巨体、豪壮で豪奢なターバン、すべてを
《《な、なに!?》》
レンゲとケイコが畏怖の声を重ねる!
《風の精霊王 “ダイジン” 大王陛下です――陛下、御家臣をお諫めください!》
《パパラパーッ!》
https://kakuyomu.jp/users/Deetwo/news/16817330669209714925
“大気巨人” が明らかに狼狽えている!
それはそうだろう!
エバさんの言うとおりなら、自分の王様と対峙しているのだから!
召喚者である“僭称者” と主君である “大王” との間で板挟みになり、“大気巨人” は憐れにもブルブルと震え、耐えきれずに消滅してしまった!
そして役目を果たした “ダイジン” 大王陛下も、エバにチャーミングなウィンクを残して一陣の風と共に去った。
《ありがとうございました、陛下》
《エバ、あんた……本当に何者……?》
ケイコが呆然と訊ね、レンゲに至っては言葉もなくただコクコクとうなずくのみ。
《陛下には以前に御意を賜り、光栄にも知己を得させていただいたのです》
『エ、エバさん、あなたという人は……』
『す、凄すぎて、もはやコメントのしようがない……』
『旦那は “
『……Jesus……』
“くははははははっ!!! ヒーィッヒッヒッヒッ!!! 凄い、凄いぞ、聖女! まさか風の精霊王まで誑し込んでいたとは! 聖も魔も使役する、まさに地下迷宮の申し子よ! ――ならば、これはどうだ!”
“僭称者” が狂喜の哄笑と共に、 次の一手を打つ!
不意に画面の中の空間がぐにゃり!と歪み、距離感が掴めなくなった!
そして轟く、大咆哮!
「こ、今度はなんなの!?」
拡がった空間を圧したのは “金” と “黒” の対照的な影!
一方は目も眩む黄金の輝き!
もう一方は、闇の中でこそ映える濡れ羽色の美しい輝き!
対照的な鱗に覆われた、二頭の大巨獣!
《“
https://kakuyomu.jp/users/Deetwo/news/16817330669209589846
https://kakuyomu.jp/users/Deetwo/news/16817330669209630087
“もうダイジンは呼べまい! さあ、どう
勝ち誇る “僭称者” に、エバさんがギチッと奥歯を噛む!
《ガ、“
《ガチガチガチガチッ!》
ケイコがレンゲと抱き合いながら、ガクガクと震える!
完全に血の気を失った顔!
激しく鳴る歯の音をマイクが拾う!
『ヤベえ! ケイコとレンゲがブルってる!』
『
『ドラゴンの咆哮だ!』
身動きが取れないふたりに、残っている “吸血鬼” たちが群がりよる!
《
障壁を張り、ふたりを護るエバさん!
突然目の前に出現した半透明の壁に激突し、吹き飛ばされる “吸血鬼” たち!
しかし五〇匹もの不浄なる魔物は、次から次へとレンゲとケイコに飛びかかる!
一片の慈悲もない数の暴力!
ブウンッ!!!!
間一髪回避するも、
“吸血鬼” たちの重みに抗しきれず、砕け散る護りの障壁!
エバさんの顔が絶望に歪み、丸裸になったレンゲとケイコに、真紅の爪と純白の牙が殺到する!
「レンゲェェェエエエエッッッーーーーーーーーー!!!」
眼前に展開される、凄惨な殺戮劇。
肉という肉に突き立てられる、死の穂先。
突然、迷宮の石床から林立した
そうして宙高く掲げられた “吸血鬼” たちすべてが、見る見るうちに干からびて、
悶え苦しみながら息絶える。
不死であるはずの “吸血鬼” たちが。
“この鮮やかなまでに残虐な手練、趣向――ついに穴蔵から姿を現しおったか”
“僭称者” が、迷宮の闇に向かって向き直る。
視線の先から
一九〇センチになんなんとする長身。
豪奢な金髪。
白磁よりもなお白い肌。
ゾッとするほどに美麗で、完璧なまでに整った耽美な
“我が主に無礼を働く
すべての
https://kakuyomu.jp/users/Deetwo/news/16817330669209530463
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ご視聴ありがとうございました
風の大王『ダイジン』のエピソードは、本編のこちらから
https://kakuyomu.jp/works/16816410413873474742/episodes/16817139558905743268
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第一回の配信はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16817139558675399757
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実はエバさん、リアルでダンジョン配信をしてるんです!
エバさんの生の声を聞いてみよう!
https://www.youtube.com/watch?v=k3lqu11-r5U&list=PLLeb4pSfGM47QCStZp5KocWQbnbE8b9Jj
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