戦争P-Ⅱ:環楓「判明」

「よう」

 例のスーツ姿の男――金切圓美だとかいうやつに再度話しかけられたのは、たしか6月17日のことだった。

 正直あの辺りの記憶はその後が濃厚すぎて覚えていない。まあそりゃ、コンソメのりしおを食べた後にうすしお味を思い出せと言っているようなものだ。無理ではないが、個人的にはかなり難しい。ちなみに、一応注釈をつけておくとポテトチップスの話である。

 こっちは知らないのに向こうからは知られているなどという男に2日連続で、しかも恐ろしいことに付けられていたわけでもなさそうなのに出会っているのだという。

 まあ一つ言えることは恐ろしいことこの上ないということだろう。

「何だ、昨日の続きか?」

 ならばまた電柱を破壊したらまずいのでうちの体育館あたりで手合わせ願いたいのだが。

 しかし今日はそんな阿呆らしいことをしている場合ではなかったらしい。というか、前回のあれって俺が原因だったんだっけか。

「いいや、今日はお前にとある報告をしに来た。いいや、報告ってよりも警告って方に近いかな。」

 警告、ね。

 真面目に聞いている方が馬鹿らしいとは思う。不審者に防犯ブザー持ったほうが良いよ等と言われたら小学生は確実に防犯ブザーを投げ捨てるだろう。というか、本来なら不審者に合った段階で防犯ブザーを鳴らすべきなんだがな。

 俺は防犯ブザーテンションで電柱を破壊した前例があるので下手に動けない。

「夜坂の話だ。」

「はあ、」

 どいつもこいつも夜坂夜坂と…えっと、何だ?

 テロリストは夜坂が呼び出し、聖剣は夜坂と妹さん絡み、七つの大罪のやつらに関しては何で異能学校(学校もどきのしっくり感が恋しい)に来たのかも何故能力が割れてたのかも知らんが、化け物に関しては夜坂家居候の魔王が原因だ。

 どっかに隔離したほうが良いんじゃないのか?

「で、あいつがどうしたって?まさか漫画にハマって1年が1日になったとかじゃないよな?」

 某龍玉の精神と時の部屋化した世界とか見たくねえな。

「いいや、もっと重大な話だ。」

「だからその話ってのは何だよ?」

 さてと、皆様お待たせいたしました。本編はここからでございます。

 出来ることなら始めないでほしかったね。


――夜坂蓮、夜坂転は『機関』が監禁している。


 久々に夜坂絡みで『機関』が実在のものとして出てきた気がする。

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