戦争編

戦争Q:アイ「天入律月の奇行集で1冊は書ける。」

 いやあ、やばいやつが転校してきたな……。

 私も大概だけど――なんせサボるためにパソコンの中に隠れたりするし――、でもあそこまでじゃない。

 転校生……えっと、天入律月だったっけか?

 あいつの奇行をまとめるだけで1冊は書けると思う。

「転校生ちゃんやばいっスよ」

 情報部もといパソコン部での一節。

「だろうなぁ…」

 何かを知っているような口調で前篠先輩、前篠士郎が言った。

 年齢的には私のほうが上だからどう呼べばいいのか分からない――というのは、私がインターネットという限りなく広くて限りなく永い空間、実質的な精神と時の部屋に生きているからなのだが――から、ちょっと困ってる。

 だからといって先輩であることに変わりは無いけどね。

「天入な、あいつ協力者が送ってきたやつなんだよ。まあ、なんか訳があるんだろうな。」

 訳アリ、というやつだろうか。

「逆攻先輩、何でそんな詳しいんですか?」

 諭ちゃんが聞く。

「え、あいつが言ってただろ」

「言ってなかったですよ!」「言ってなかったっスよ!」

 綺麗に台詞が被った――つまり、ハモった。

 うん、あの一瞬だけは諭ちゃんの考えてることがすべて解った気がする。シンパシー、共鳴。

「ああ、あいつ行くクラスごとに言うこと変えてるんだよ。5種類も自己紹介のバリエーション考えてくるとか……まあ、この学校にいるやつらとは違う方向性でイカれてるよな。」

「また奇行が増えた……」

 2冊目を執筆し始めようかな、などと思った。




 そういえば、6月の部活はこれが最後だったなぁ。

 6月17日――正確には、6月17日『から』、だけど――この学校もどき、異能学校にこれまでで最大の事件が起こる。


 まあ、これ以降も更新し続けるんだろうけどね。

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