演劇部「傲慢少女」

「よう、『傲慢』。突然だが、演劇って知ってるか?俺は演劇部なんだが、役者が足りなくてな……お前にも演じてほしいんだよ。」

 少年はそういった。

「……はぁ?」

 『傲慢』と呼ばれる少女は応えた。

「お前にはとっておきの『悪役』を用意してやったぜ。……俺って『主人公』と戦って、盛大に負ける。そんな『悪役』をな。」

「何をする気だ」

 『傲慢』は彼を警戒した。

 しかしその警戒を無視して、少年は言う。 

「そういやお前、この戦いが終わったらすることがあんだろ?」

「あ、そうそう、私この戦いが終わったらメイクとか勉強してみようかなって――」

 少女は死亡フラグを言ったことに気づく。

「いやいやいやいやだめだめだめだめ!!」

「どうした?ヘリでも呼んでやろうか?」

「……なんでか分からんが…まあ、頼むよ。」

「カプコン製だけど大丈夫?」

「大丈夫じゃねぇー!!」

 少女は死亡フラグを重ねる。

「もういい、お前のために待ってるからだめなんだ……どうせいつでも殺せる!いつ殺すかの違いだ!!1分でぶっ殺す。」

「おう、やってみろよ」

「まあただ、3秒くらいは待ってやるよ」

 少女は(以下略

「また重ねちまったぁー!!」

「これが演劇だ、楽しいだろう?」

 少女は怒りをあらわにした。

「何が楽しいだ!!そんなわけないだろ!」

「もういい、この能力を止めろ。でなきゃ撃つぞ。」

「やってみろよ」

 瞬間、銃弾が降り注ぐ。

「やったか!?」

「ちなみにだが、『でなきゃ撃つぞ!!』も『やったか!?』も死亡フラグだぜ。」

「やってない!?」

 死亡フラグと言うよりも生存フラグ。

 勿論、少年の生存フラグだ。

「お前が全弾外したんだろ?」

「はぁ!?」

「お前が撃ったのは楓だからな。」

 楓と呼ばれる少年は、少年を見て言った。

「ありがとう、そろそろっすね。」

 楓と呼ばれる少年は少女を睨んで、言った。

「現在、15時29分56秒。さてと、俺はあと10秒でお前を倒すぜ。」

 ――ちなみに、これは死亡フラグじゃないからな。


 そして時刻は、15時半になる。

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