第壱章
開闢編
開闢Ⅰ:語世継「世界について、少々語ろうかと。」
語り手は僕――語世継に移らせてもらいます。ちなみに名字の読み方が『かたり』、名前の読み方が『よつぎ』です。
え?何で語り手だの何だのと訳のわからないこと……つまり、メタ的なことを言っているのかって?
それは僕の能力、『メタフィクション』が関係しているのですが――
それよりも先に、まずは世界、そして我々について語らせてもらいましょう。
――
読みづらいと思ったのでふりがなは振っておきました。
この文から察してもらえる通り、プロローグの『アレ』は同級生の夜坂蓮の能力に寄るものです。
僕ら1年1組があんなに冷静だったのは、彼がいつもいつも面倒事を呼び寄せるどころか、作っているからなんですよ。毎度毎度こういうことばっか起きます。
次は世界観とかについて解説しておきましょう。
超能力。
最早この世界では当たり前のもの…と、言いたいところなんですが、そういうわけではなく、普通に希少。というか一般人には基本的に知られてないです。能力が発現するのも子供が多いので、子供の戯言と思われる事が多く、ただの異端として見られるのが僕たちです。
では、なぜそんな異端児、少数派がこんなにも集まっているのか。
その理由はこの施設にあります。
この施設は簡単に言うと、学校と名乗ってはいますが、正確に言うのであれば学校もどきです。
ここは能力者が集まって能力による事件や事故を解決するための拠点となっている能力者の育成をする場所です。僕たちは、いわば警察のような立ち位置にいるんですよ。
でも、そもそもの母数が少ないのに能力を使った事件なんかが起こるのかって話ですけど、結論を言うと本来は起こらないはずなんです。
でも、そこに現れたのがジョーカー。つまり夜坂蓮です。
彼の『厨二病』が覚醒した3年前辺りから、異能力者と異能事件、異能事故が急増しました。というより、起き始めた、と言うべきですかね。
だから僕たちが必要になったんです。
さてと、ではお待ちかね。というか僕が待ってた我々1年1組を紹介しましょう。
僕、語世継。
僕の能力は『メタフィクション』。あなた方読者の視点が誰にあるのか、つまり、誰が語り手なのか分かるというものです。それ以外にも死亡フラグとか今回の話のタイトルとかが分かったりします。メタい、というやつですね。
次に、改めて彼、夜坂蓮の説明を。
彼の能力は『厨二病』。妄想を現実に出来る能力です。これのせいでテロリストが来たりデスゲームに巻き込まれたりします。まあ、全部サラッと解決できたんですけど。ちなみに本人はそういう能力ではなく、単に危機から脱出する能力と解釈しているようですが。まあ、意識的に妄想されたら困るので、我々もできるだけ隠しています。
先程テロリスト――あれはテロリストと言っていいのか?――を制圧した彼は、
彼の能力は『帰宅部』。簡単に言うと、絶対に家に帰るという能力です。詳しいところまで話すと、能力は2つに分けられます。1つは家に帰るまでは死なないというもの、もう一つは15時30分になったら無敵になる能力です。
そしてそのテロリスト?を落ち着かせて帰らせた、黒髪ロングで委員長の雰囲気がある彼女は、
彼女の能力は『説得』。絶対に説得出来るという能力ではなく、自身が発した言葉を真面目に受け止めてもらえるという能力です。事実は事実として伝わりますが、嘘は嘘としてそのまま伝わっちゃうので、そこはデメリットですかね。
で、さっきインスタにテロリストの写真を上げてた赤目白髪少女は
彼女の能力は『吸血鬼』。まあ……そのまま吸血鬼です。
最後に、あそこでドーピングしてるツインテールのあの子。彼女は
彼女の能力は『狂愛』。病み系の行動が戦闘系の行動に繋がるみたいな感じです。例を挙げるとリスカすると血で武器を作れたり、薬でハイになって強くなったり出来ます。ああ、一応注意だけど、真似はしないでね!
ちなみに彼女、別に病んでるわけじゃなく、能力に影響されて癖になっちゃったらしいです。だから本当に真似はしないでね!
ということで1年1組の6人でした。
少ないでしょ?
母数が少ないのに加えて、この学校は中学1年生からしか入れないこと、そもそも親が信じてないこと、異能事件に対抗できる能力を持ってる人が少ないことなども重なって本当に人員が少ないんです。
ということで、説明は大体これで終わりですかね。
さてと、次回は蓮君に視点が移ります。
それでは皆様、また会う日まで。
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