帰宅部なんで帰ります。

cs放送

第始章

帰結編

帰結N:環楓「あの、15時半ですよ?」

「時計を見てください。」

「ああん!?」

「見てください。」

 時計の方に目を向けさせる。

 時刻は15時29分。

「この時間が何の時間なのか分かりますか?」

「知るかよ!さっさと座れ!」

「下校時間です。」

「だからそんなこと知るかっての!!」

 こいつはテロリスト。

 あいつが『中二病』などという能力を持っているせいで、こういうことばっか起こる。というか、テンプレートが過ぎるだろ。

 考え方を改めてほしい。

「下校時間ですよ。」

「だから!! 知らねぇっつってんだよ!! 撃つぞ!?」

 後ろの奴らがニヤニヤし始める。

 まあ、だろうな。

 銃口が突きつけられる。銃口と言っても、おそらくモデルガンを改造したものだろう。

 そこから考えるに、こいつは初犯だ。


――うん、勝てる。


 自身の覚悟を再確認する。

 現在、15時29分56秒。

 まだだ、まだ、『俺の時間』じゃない。

「撃つぞぉぉぉォォォォォ!!!」

 声が裏返ってる。

 やはりこいつ、ただのガンマニアか何かか。

「うわぁあぁアアァああァァ!!!?!!?!!!!!」

 現在、15時30分1秒。


――勝った。


 瞬時に相手の背後に回る。

 そしてその勢いのまま、相手の頭を机に押し付ける。

 武器を押収、破壊した――といっても、窓の上から投げ捨てただけだ。まあ、下にいるやつは…改造モデルガンくらい破壊出来るだろう。

「さてと、帰るか。」

「うああっぐぅがァっアあァァあッ!!」

 帰る時間を数秒遅らせたテロリストもどきに八つ当たりする。

 なにを動機にしたかは知らない。

 というか、多分『中二病』のやつが無理矢理呼び出しただけだろう。

 ああ、畜生。面倒くさい。

「じゃ、さいなら。」

「えっ」

 カバンを持つ。

 そして扉を開けて、廊下に出る。そのまま俺は、帰路についた。


 後ろから聞こえた声を挙げることとする。

「くっ……また奴らの――機関の差金か……?」

「落ち着いてください?ほら、家帰りましょう。ってか帰ってください。いやいや、通報なんてしませんから!だって面倒じゃないですか?警察沙汰が一番嫌いなんですよ、わたしたち。」

「テロリストじゃ私のこと愛してくれないか……」

「あーそだ、この後カラオケ行かない?」

「俺は機関に見つかっている可能性があるから、このまま家に帰らせてもらおう。」

「じゃ吸ちゃんは?」

「あたし行くー!あ、でもその前に写真いい?インスタに上げたいんだけど。」

「テロリストなう的な?」

「……痛っ」


 …碌なやつがいない。

 まあここは、そういう学校だし仕方ないか。

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