第45話 レベル上げ&配信
時雨のF級昇格試験から1週間後。
「――ほいっと」
俺はエレノアから貰った剣でダンジョンボスであるビッグオーガを討伐する。
そして、レベルは……ようやく10だ。
「おにーちゃん! さっすがー!」
俺よりも一足先にレベル10になっていた時雨はパチパチと拍手をする。
俺と時雨はD級ダンジョンをいくつか攻略してレベル上げと実践トレーニングをしていた。
アクアはこれ以上レベルが上がってしまうと制限ダンジョンのレベル制限に引っかかってしまう。
だから、一緒に来るのは遠慮してもらっていた。
その間に、アクアは俺たちに構っていたせいでしばらく出来ていなかったアイドルとしての配信活動を再開していた。
配信内容は、料理に裁縫にゲーム実況など。
どれも凄い人気で、アクアが何を始めてもすぐにtwitterでトレンド入りしてしまう。
(これで全員レベル10だ、ダンジョン攻略前にできる準備はしたな)
家に帰ると、アクアはゲームの実況配信をしていた。
配信画面にも、様々なハンドルネームとコメントが飛び交っている。
"
まんじゅう太郎:最近配信多くて嬉しい!
匿名B級魔法使い:最高ですわ~!(¥10000)
ビリー:エクレアちゃん、またアクアちゃんの配信でスパチャしまくってる……
匿名B級魔法使い:私はエクレアじゃなくてエレノアですわ!
匿名B級魔法使い:違いますわ、私はただの一般の一流魔法使いですの
タレオ:エレノア嬢、一瞬で身バレしてる……
虎吉:マヌケは見つかったようだな
匿名B級魔法使い:私はエレノアじゃありませんが、アクアさんはエレノアともっと仲良くしてあげても良いと思いますわ
ぬまるん:自演乙
虎吉:悲しくて泣いちゃった
"
エレノアさん、何やってんのこの人。
そして、当然の如くアクアはエレノアのスパチャのみスルーする。
すると、またコメント欄に変な人が現れた。
"
S級探索者アーサー:アクアさん僕だー! この前はサインありがとー!
名無しの探索者:なんか荒しが来たな
サイモン:成りすましは通報でおk
S級探索者アーサー:僕は本物のアーサーだよ!
Silver:本物なワケないだろ、S級なんて
ポチ太:本物は「本物です」って言わないから
S級探索者アーサー:じゃあ、本物だと証明するためにギルド長の秘密を言うよ!
ワタギリン:アーサー、今すぐギルド長室にくるように。
S級探索者アーサー:あっ、はい……あの……すみませんでした
"
ただの荒しとしてコメントは流れて行ったけど、これ2人とも本人なんじゃ……
まぁ、見なかったことにしよう。
アクアの配信が終わるのを待って、俺たちはダンジョンに挑むために帝国ギルドへと向かうことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます