第14話:仲直りだよ、シュシュ。
シュシュは寒さでガタガタ震えていた。
短いスカートなんか履いてたから余計冷えたんだろう。
「まじ、寒くて、おしっこチビりそう」
「トイレに行ってきたらいいだろ?」
「すぐに風呂沸かしてやるから待ってろ・・・」
そう言うと祐介は風呂を沸かしに行って、シュシュのために台所から
ホットミルクを持ってきてやった 」
「ほら、飲みな・・・少しは体、温まるから」
「ありがとう祐介・・」
「風呂に入って、体が温まったら、もう寝ろ」
「話したいことがあるかもしれないけど話はまた明日・・・今日は疲れたろ」
「俺は明日、学校だけど、シュシュのことが気になるから休むことにした 」
「明日には母ちゃんも帰ってくるけど俺もいるから」
そして次の朝、志麻子ちゃんから連絡があって、もう少し実家にいるって
ことだった。
「まあいいけど・・・特に困ることもないし・・・」
また、今日もシュシュとふたりっきり。
チャンスですよ。
でも、こういうのは計算したり狙ったりしても上手くはいかないのです。
自然、なすがまま、そうなるときは、何もしなくてもそうなるのです。
その日、祐介は学校を休んだ。
シュシュのことが気になってきっと授業なんか頭に入らないと思った。
昨夜、祐介は自分の部屋のベッドで、シュシュに添い寝して寝た。
朝方、祐介はよく眠っているシュシュを起こさないように先に起きて、
朝食の支度をした。
しばらくしてシュシュが二階から目をこすりながら降りてきた。
やっぱり男物のパジャマを着てるシュシュはめちゃ可愛いと祐介は思った。
「おはようシュシュ・・・」
「おはよう、祐介・・・」
「夕べは・・・ごめんな」
「もういいよ・・・お互い様・・・」
「謝らなくていいから・・・最初君を疑って優柔だった俺が悪いんだから 」
「けど、あんな状況見せられたら誰でも、疑心暗鬼になるよ 」
「ただ私は悔しかっただけ・・・」
「祐介に信じてもらえなかったこともそうだけど、最初っから全部話してたら
こんなことにならなかったのにって思って・・・」
「最初っから俺に話してたら、もっと信じなかったと思うぜ」
シュシュが少しでも笑ってくれたら場が和むのになって祐介は思った。
「ほんとににごめんね、心配かけて・・・」
「しつこいようだけど、今の私は祐介だけだからね」
「分かってるよ・・・」
「仲直りだよ、シュシュ」
そう言って祐介はシュシュにチュッてキスした。
「ほら、朝飯できてるから・・・」
「って言っても、パンとスクランブルエッグにハム付きだけどな」
「じゃ〜今日のお昼は、私が腕によりをかけて何か作ってあげる」
「料理したことないんだろ?」
「麻衣子ちゃんが持ってるレシピ見たら分かると思う・・・」
「大丈夫かな・・・心配だな・・・」
「じゃ〜一緒に作る?」
「いいね・・・俺も料理できないけど・・・」
シュシュは笑いたかったが、まだ笑い方が分からずにいた。
つづく。
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