ゲームはテキストを読むのも楽しい
レベル上げを初めて2時間が経過して大変なことが発覚した。
このゲーム武器に耐久度がある。つまり同じ武器を2時間ぶっ続け使い獲物を斬ろうものならぶっ壊れるってわけです。
「ボクの
ボクの靴まで犠牲にして手に入れた武器なのに、ボクのためにこんなにボロボロになって
「私の杖は平気なのにね」
「僕の弓も大丈夫だよ。矢はとっくにないけど」
「せっかく大切にしてきたのに…」
「2時間で壊して大切にしたは無理があるわよ」
「でも壊れた状態の武器が残るってことは直るんじゃないの」
「あっそっかー!」
「切り替え早すぎじゃないの!」
それなら一回街に戻った方がいいな。武器の修理もしたいし
「街にいったら倉庫みたいなのあるのかな。アイテムボックスがパンパンでこれ以上入れると体が重くなるよね」
「武器を落としてくれる魔物とかいたらよかったんだけど」
「ここほんとに動物系しかいなかったわね。人型なのもいないし、いたら亜人と被っちゃいそうだけど」
この森で倒せた魔物はクロウルウルフとウォーベアーの他にスアローバードとナッツクラッカーってやつがいた。
スアローバードはでかいツバメみたいな鳥で近づくと矢のような羽をばら撒きながら空に逃げるっていう面倒くさいことをしてくる。
まさかこいつが打ち出してくる大量の羽を吹き飛ばす為に初めての魔法を使うことになるとは思わなかった。
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ちなみに浮遊を使って空中戦とかもやろうとしたけど全然ダメ。自在に空を動けるわけじゃなくて、高く飛んだり浮いたりできるだけだから鳥とかに全く追いついけない。
それに勢いついてるときならまだしもただ浮いてる時に剣を振っても大した威力ではないし、結局逃げる前に倒すか萩にいに撃ち落としてもらうしかなかった。
ナッツクラッカーはリスなんだけど大きさが兎ぐらいあって、そして自分と同じ大きさの胡桃を抱えてるんだよね。
最初は萩にいが見つけた瞬間にリスだけ撃ち抜いて一撃で倒したから気づかなかったけど、どうやらあの胡桃は爆弾みたいで2回目楓ねえが胡桃ごとリスを吹き飛ばしたときに弾けたんだけど胡桃の破片は辺りに飛び散って攻撃してくるし、胡桃は爆発したからアイテムとしてドロップしないわで散々だよ。
あと、リスは敵を見つけたら胡桃を投げるか自爆特攻してくるからもはやナッツを砕くリスっていうよりナッツで敵を砕くリスの方が正しいね。
これも最終的には萩にいがリスを狙って撃つのが最善だったから任せたんだけど…
「なんかにいちゃんに任せる魔物が多かったな」
「そうだよ。おかげで1時間ぐらい前から矢はすっからかん。その後レベルアップのステータスポイントを
「仕方ないでしょ。私たち遠距離攻撃持ってないんだから。それよりも私は2時間やってレベル8までしか上がらなかったことに驚きなんだけど」
「うーんゲームにもよるんだけどこんなもんじゃない?1レベルごとに10ポイントも貰えるし」
つまりボクたちは70ポイントを得たわけだけど、ボクのステータスを共有しつつみんながどのように振り分けたのか聞いてみた。
PC レン
LV8
種属 妖精
職業 曲芸師(短剣)
HP <体力>10 (+0)
MP <魔力>60 (+20)
STM <スタミナ> 10 (+0)
STR <筋力> 1 (+0)
INT <知力> 50 (+20)
DEX <器用さ>40 (+10)
AGI <敏捷>50 (+10)
VIT <防御力>1 (+0)
LUC <運> 38 (+10)
特性
<浮遊><消費魔力回復>
スキル
<スラストダガー><クリティカルカット><舞風>
魔法
<
装備
武器
頭 なし
胴 妖精の装束 +1
腰 妖精の装束 +1
足 なし
アクセサリー なし
合計防御力 2
まずここまで試してみて魔力の消費は思ったより少なかったけど、後のことを考えるとやっぱり魔力は必須。そして実質ボクの攻撃力となる知力も欠かせない。その2つにポイントの過半数を振って、残りは曲芸師の補正がかかるステータスに均等に分けた。
スキルはレベル5になったとき新しいものを覚えた。
<クリティカルカット>:刃物で敵の弱点などを攻撃する際クリティカルの威力が1.1倍上がる。そしてクリティカルの判定に補正がかかる。同じようにパリィの判定にも補正がかかる。
どうやら発動しなくても効果が永続するタイプのパッシブスキルみたいだ。倍率低いし刃物の時限定だけど判定上がるなら十分でしょ
他のスキルも確認してみると
<スラストダガー>:地を蹴り任意の方向に向かって突進できる。そのとき与えるダメージは1.2倍上がる。空中では使えない。
<舞風>:敵の攻撃をパリィすると1秒間、実態を残したまま透過しあらゆる攻撃がすり抜ける。妖精を捕まえれるものはいないのだ。まるで吹き抜けていく風のように人はただそれを追うだけ、妖精の御業に惑わされて
なんかフレーバーテキストあるやつとないやつがあるんだよな。運営の好みなのかな。
この2つは色々と検証してみたら、スラストダガーは空中で使えないと書いてあるが壁を蹴るときも発動できた。
舞風は攻撃だけでなく相手の体自体をすり抜けた。発動中に相手に向かって突進するとすり抜けて簡単に背をとれる。
そこまで使わなかった魔法の説明は
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この魔法は浮遊してる時に使ったら勢いつけて飛べるかなとか思ったけど、着弾しないと爆発しないから地面にいる時しかその手は使えない。
浮遊の有効活用は遠いな。
それで肝心の2人のステータスは、
PC 紅葉
LV8
種属 エルフ
職業 歌唱術師
HP <体力> 30 (+0)
MP <魔力> 60 (+30)
STM <スタミナ> 30 (+10)
STR <筋力> 50 (+10)
INT <知力> 10 (+0)
DEX <器用さ>20 (+10)
AGI <敏捷>20 (+10)
VIT <防御力>20 (+0)
LUC <運> 20 (+0)
特性
<魔力適性>
スキル
魔法
<歌唱術:
<歌唱術:
<歌唱術:
<歌唱術:
装備
武器 初心の杖
頭 なし
胴 舞姫のローブ +10
腰 装備不可
足 ハレの
アクセサリー なし
合計防御力 15
楓ねえは前回、力に振ったから今回は魔力に振ったらしい。他にも振ってなかった欠点があったからそれを補う割り振り方をしたみたい。それでも知力には振ってない、意地になってないよね?
スキル、まぁ楓ねえは魔法なんだけど同じレベル5の時に覚えてたから、全員共通のことなんだろう。
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ゲームでバフをかけるのはよくあるけど体感時間をゆっくりにするバフは聞いたことないな。
<歌唱術:
<歌唱術:
<歌唱術:
スキルは1つもなく全てが魔法。魔法職だからよくあることなんだろうけど筋力が高いのは楓ねえぐらいだろうな。
まあ魔法の威力は実感したからね。それより気になったのは装備の方だ。武器は召喚できるから防具を優先したらしい。
舞姫のローブ:力を現世に顕現させる神降ろしの中でも肉体に宿す舞姫が使う儀礼服。儀式の際踊るために動きやすく作られている。
召喚魔法に補正がかかり消費魔力を軽減する。
スタミナの消費を軽減する。
ローブは腰の装備枠を占領する。
ハレの
バフの効果を少し高め、デバフの効果を少し減少させる。
なんか装備がボクと違ってちゃんとしてて羨ましくなってきた。
PC 牡丹
LV8
種属 人獣(猫)
職業 狩人
HP <体力>10 (+0)
MP <魔力>70 (+40)
STM <スタミナ> 20 (+10)
STR <筋力> 20 (+0)
INT <知力> 30 (+10)
DEX <器用さ>40 (+0)
AGI <敏捷>30 (+10)
VIT <防御力>10 (+0)
LUC <運> 20 (+0)
特性
<五感補正><軟体補正>
スキル
<クリティカルショット>
魔法
<
装備
武器
頭 装備不可
胴 隠者の外装 +8
腰 狩人の
足 狩人の靴 +2
アクセサリー なし
合計防御力 12
萩にいは途中で矢が切れても魔力に多く振って戦い続けることに付き合ってくれた。
なのでポイントのほとんどを魔力に振って残りを好きなところに分けた形になっちゃった。まぁボクのせいなんだけど萩にいは気にしないでって言ってくれる。ごめんね。
新しいスキルはクリティカルショットでボクのと似たスキルだ。
<クリティカショット>:敵の弱点などを撃ち抜く際のクリティカルの威力が1.1倍上がる。そしてクリティカルの判定に補正がかかりスタンの効果と判定が上がる。
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萩にいのスキルと魔法は分かりやすくて助かるよ。でも単純なのが多いけど今回のレベリングのMVPは間違いなく萩にいだ。
敵の2種類を完全に任せてたし他にもサポートがうまくてめっちゃ戦いやすかったもん。
装備の中で武器がボクと同じ、種属専用の武器らしい。
魔法の効果を高め消費魔力を軽減する。
隠者の外装:逸れものに棲家はない。国を失い、種属を失い、孤独に生きていく。それはとある日陰者たちの烙印だった。その歴史すら、もはやない。
フードを被ると隠密に補正がかかる。
フードは頭の装備枠を占領する。
狩人の
狩人の靴:狩人たちは今日も今日とて森に入る。地を踏み根を踏み落ち葉を踏んで、獲物を追いかけて右往左往。危険な足元を乗り越える狩人には靴があるのが前提条件。
最後のテキストは裸足のボクには耳が痛すぎるんだが、ていうか蓼天木って多分マタタビでしょ、あれ木じゃないけどね。
「レン!もうすぐ着くよ」
「分かったいま行くー!」
3人が駆け出していくその背を空だけが暖かく見守っていた。
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