ゴミ人間(29)が人殺しになるまで

@jumbomanbo

何かと出会う

「おい! 開けんかい!」

ドアを強く叩く音と共に聞こえる大男の怒鳴り声。

「今日も来たのか、やかましい。返す気ねえよバーカ」

強気だが、貧弱な体の僕は、心の中で声高らかに呟く。

闇金からお金を1000万程借りているのだが、もちろん返せるわけもないし返す気もない。1000万なんてとっくに使い切ったし、なんならもっと借りてやりたいくらいだ。"そろそろ飛んでやろうか"そう思った時だった。

「バシャン」

窓が割れる音がした。

僕の部屋は3階で、裏は民家。割れるはずもない。息を殺して、忍び足で窓の方へ向かう。大きく割れた窓の近くに石などは転がっていない。窓の奥、ベランダの方へ目を向ける。明るく、ハキハキとした声で僕の耳を突き刺したその言葉は、すでに狂っていた僕の人生をさらに狂わせることとなった。

「あいつら、そろそろ殺す頃合いだね!」

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