第4話

「ふぁぁぁ〜ねむっ。」


 ブブは馬車に揺られながらとある場所に向かっていた。


「まだ。」


「もうすぐです。ブブ様。」


「なんで魔王様みたいなトップの人が俺みたいな赤ん坊に会いたがっているんだ?」


 ブブは今、魔王直々に魔王城へ招待されていた。

 多分、ハーフの最高傑作として己の作品が見たいんだなとブブは考えていた。

 前々からいつか会うんだろうと思っていたが、もう少し成長してからだと予想していた。

 赤ん坊にあったところで自分が産まれた瞬間に立ち会っていたと読んだ為、そんな変わらないんだから。

 後数年して少年になってからだと思うだろう。


「ブブ様の活躍を耳にして気になったそうです。」


「活躍って言ってもシャン姉が仕留め損なった森のボスを倒して一緒に食べただけだよ。」


 シャンデラと仲良くなったブブは森を散策していたところ、ブブの暴食に怒っていた森のボスと会ってしまった。

 今の自分だと試行錯誤した上でその全てが上手くいったと考えて五分五分といった相手にゲンナリとしていたわけだが、そんなブブと違ってシャンデラにとって圧倒的な格下だった。

 そこで弟に姉としての威厳を示そうと大技をぶっ放して森に甚大な被害を出したのだ。

 森のボスだけあって危機察知能力も高かった。

 シャンデラの実力を察知した瞬間に逃げようとしていた。そこに確実に自分を消し炭にする攻撃を見て全力でその場から逃げようとしたのである。

 そんな負け犬なボスにブブは鳥になって上空から俯瞰して見ていた。

 シャンデラが逃げるボスに魔法を放った瞬間に魔法によって出来たボスの死角に飛び込んで毒を嘴から打ち込んだ。

 捕獲出来たの知ったシャンデラはボスの身体に当たる直前で魔法を消したのである。

 折角かっこよく仕留めようとしたのにと拗ねるシャンデラを宥めながら餌となった森のボスを分け合って食べたのである。


「あれを活躍認定されるのは過小評価されてるみたいで嫌だな。」


 こんな残飯処理みたいな成果を活躍として評価される事が自分の事を軽く見られているみたいで不満だった。


「ブブ様は赤ん坊でらっしゃるのですから。魔物を退治できるだけでも凄い事なんですよ。」


 ブブの見ていたら感覚がおかしくなるが、森に住む猪も兎も魔物であり0歳児が倒せるレベルではないのだ。


「まぁ、赤ん坊ならそんなものか。」


 貴方もその赤ん坊なんですよとはフォトは言えなかった。

 そうこうしていると魔王城に着いた。


「凄いな。人がいっぱい。」


 屋敷周辺に街どころか村すら無い為、沢山の人が珍しく目を輝かせるブブの年相応の反応に微笑ましくしていた。


「美味そう。」


 まぁ・・・うん・・・期待していた私達が悪い。

 やっぱりどこにいっても食欲のブブであった。

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血の料理人 栗頭羆の海豹さん @killerwhale

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