第18話 秘密の暴露
「祐斗君、文月ちゃんに手を出すのは止めてほしいの。」
放課後。部活や委員会に行く生徒たちで行き交う。
「どうして真由ちゃんに言われないといけないんだい?」
表情を変えずに質問する祐斗。
「文月ちゃんは牧野君と付き合うことになったのよ。」
真由がそう返すと祐斗はクスと笑う。
「だから?」
「だからって...」
祐斗の言葉に目を丸くする真由。
◇◇◇
同時刻
葉月は水やり当番の為、校庭の花壇に向かうと既に瑠衣と奈歩が水やりをしている。
「2人とも何で」
驚く葉月
「俺達が変わりますから、部長は行ってください。」
瑠衣が話すと奈歩が続いた。
「放課後の図書室に。」
背中を押された僕はフッと微笑む。
「ありがとう。2人とも」
学校の花壇に秋桜が花開いている。
◇◇◇
文月は教室の掃除を終えて図書室へと歩いていた。
(今日は赤羽君に自分の気持ちを伝える。大丈夫。大丈夫。)
すると、後ろから文月と呼ばれて振り返ると息を切らす葉月がいた。
「葉月、今日は園芸部の水やり当番じゃなかった?」
驚く私に葉月は返した。
「変わってもらった。僕も赤羽君に伝えたいことあるし、文月を彼と2人きりで会わせるのは僕が嫌だ。一緒に行くよ。」
頬を染めて呟く葉月。
その表情に胸がキュンと疼く。
「ありがとう。葉月」
◇◇◇
図書室の前の廊下
祐斗は向こうから文月と葉月が歩いてくるのが見えた。真由は気づかないでいる。
「真由ちゃんは苦しくないの?」
「何のこと?」
「自分の好きな人が友だちの彼氏って、苦しくて仕方ないでしょ?」
顔色が変わる真由。
「何で知って」
誰にも言ったことないのにというような顔だ。
2人が至近距離に近づいた頃合いを見て祐斗はクスと笑った。
「見てればわかるよ。真由ちゃんが牧野さんのことが好きなことは」
ドサッと鞄を落とす音がして、驚いて真由は振り返ると葉月と文月がいた。
「文月..ちゃん、牧野..君」
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